第666話「その夜」

午前二時の女子寮屋上。

わずかに残ったマグロの血で逆五芒星を描く女が現れた。

マグロは猫(一般人が想定するかわいい生き物を指す言葉。ウサギを主とする強い生物の性奴隷としても知られる)よりもずっと魔術素材としての利用はなく、現代においてその命はおよそ食に費やされる。マグロだって食われるために生きているわけではない。女はマグロという種の奥底に焼き付いた怨念、呪詛、憎悪の感情を巧みに引きずり出し、女子寮の破壊を目的にそれを呼ぶ。泳げ。泳げ。泳げ。泳げ。泳げ。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却して。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で召喚陣を破壊しようとしたがインフルエンザを引きずっていたので壊し切れなかった。

女子寮が倒壊した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る