第633話「電波の芋」

午後八時の部屋。

メイクイーンに洗脳されかけた作家が現れた。

作家はメインクーン(一般人が想定する猫の一種を指す言葉。穏やかな巨人の名で知られ、毛がふわふわで尻尾が長い)よりもずっとメイクイーンが好きだと思っていたが、実はメイクイーンから発せられた電波の影響でそう思い込んでいただけで、彼が本当に好きなのはメインクーンなのだった。食料保護の観点からメイクイーンにアルミホイルを巻いた折、電波が遮断され作家は正気に戻った。メイクイーンなど、と先ほどまで抱いて眠るほどに好いていたそれを床に叩きつけ、蹴り砕く。メイクイーンからの電波が止まり、作家は洗脳から完全に脱した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で食べ物を粗末にした作家を叱咤した。

美味しく頂いた。

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