第594話「生きる」

午後零時の月。

豪雪結界を破った軍団月ウサギが現れた。

カモシカは豪雪結界(一般人が想定する一定範囲を豪雪地帯に塗り替える能力を指す言葉。結界内では特定種族にバフがかかる)よりもずっと凄まじい能力を持っているはずもなく、最後の力を振り絞った結界さえ破れば月ウサギの勝利は確定したも同然だ。すぐさま結界に穴が開き、立ち尽くすカモシカが現れる。月ウサギたちが殺到しようとする寸前、カモシカに動きがあった。力尽き、今にも倒れそうになっているその身体が末端から凍結していく。止血のつもりか、どうせ首を食い千切れば終いだとばかりに月ウサギが牙を剥く。

だがいきなり長い氷の角が伸びてきて、とにかくすごい刺突で月ウサギの身体を貫いた。

月ウサギの血を吸って、氷の角が巨大化した。

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