第569話「実話ではない」
午後四時の職場。
推しキャラのためにガチャを回した翌日の男が現れた。
男はフレンド(一般人が想定する友を指す言葉。ただしここでは同じゲーム内で相手の状況を知ることができる関係を指している)よりもずっとその日実装されたキャラクターを求めており、引き当てるまで回すつもりではあった。故に回した。ガチャは回すことが重要だ。運など回転数で打ち破れる。そして引き当てた。やっとのことだった。しかし三枚重ねるのが限界だった。あと一枚だったが、精魂尽き果てた。男に会ったフレンドは言った。あと一つなんだからやる気出せばすぐじゃん、と。
そこにいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でフレンドを打ちのめした。
男は人を殺さずに済んだ。
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