第553話「心」
午後八時の会社。
出張帰りの社会人が現れた。
日帰りは泊りがけ(一般人が想定する数日に渡る出張業務を指す言葉。十分に厳しい)よりもずっとしんどい。片道三時間の道を往復というだけで勤務時間のほとんどを移動に費やすことが確定しているのに、作業が伸びて帰りが遅くなったところで残業代が出るわけでもない。所詮そんなものだと理解はしているものの、感情がすっぱり割り切れるわけではなかった。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で感情を廃棄しようとしたが、以前の失敗を思い出して踏みとどまった。
安寧秩序の末の衰退を回避した。
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