第387話「大人にならない私らの」

午前十時の期末試験日。

講義棟の屋上で煙草を吸うパンジャンドラム女子大生が現れた。

女子大生は大人(一般人が想定する一般人を指す言葉。力を喪った者たちの総称)よりもずっと女子大生であり続けたく、今期も必須科目の試験をすっぽかして女子大生に留まっていた。ふうと煙を吐き出せば、出席名簿や学生データベースから女子大生の情報は霧散し、煙に巻いて曖昧になって彼女の一年はなかったことになる。永遠に逃避を繰り返す。女子高生でなくなった彼女の、せめてもの抵抗がそれだった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で出席名簿を修正した。

パンジャンドラム女子大生は教授に呼び出された。

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