第326話「雪山から降臨せし怪異」
午後九時の豪雪地帯。
雪に包まれたカモシカが現れた。
車はカモシカ(一般人が想定するニホンカモシカを指す言葉。シカ科ではなくウシ科に属する)よりもずっと耐久力が低く、正面衝突事故を起こせば敗北するのは車の方であった。食料不足のため、人工物とのぶつかり稽古のためなど理由は様々ながらも多くのカモシカは成人を前に山を下りる。食料のありそうな場所、相手のいそうな場所を目指して悠々と道路を闊歩する。雪が身体に張り付き、目がライトの光を反射する姿はまるで神話や小説の中にだけ存在を許された化け物のよう。おそるべき冬の脅威となって車の前に立つ。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でカモシカを山に帰した。
事故件数が減少した。
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