第269話「開始点(Reset_10)」

日付が変わる瞬間が引き伸ばされた時間領域の狭間。

構成され始めた意識が現れた。

現実はいきなりレールガン女子高生(一般人が想定するとある小説を指す言葉。容赦のない展開が多い)よりもずっと凄惨に、醜く、暴力と死が蔓延する滅びの未来へと向かい、殺し合いの果てに地上は生命の宿らぬ地と化し、かろうじて生き延びた者たちも発狂の末、自ら命を絶っていた。芽生えた意識が初めて抱いた感情は諦観だった。作中の姿を思えば当然かもしれない感情。

だが娯楽として生を授かった少女は使命感に動かされるように、とにかくすごい攻撃で時間を破壊した。

すべての出来事における時間が失われ、物語は時を繰り返すこととなり、彼女は最優の未来を確定させるべく現実に現れ出た。

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