第243話「神舞」

午後九時の家屋。

ハエトリグモの一種たるアダンソンハエトリが現れた。

アダンソンハエトリはチャスジハエトリ(一般人が想定する屋内で観られるハエトリグモの一種を指す言葉。雌雄で斑紋が異なり、また人家で見かけるうち最も普通な種であるとされる)よりもずっと中庸的である。性的二形が明確で、雄の場合触肢が長めで白い毛と白い斑点を持つが、雌はくすんだ体色をしている。徘徊性で自ら歩き回って餌を採る習性があり、明るい窓辺でよく確認される。アダンソンという名称はフランス人学者ミシェル・アダンソンに献名されたものである。求愛行動のダンスが非常に可愛らしい。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい舞踊でアダンソンハエトリを圧倒した。

万事に通じてこその神であると世間に知らしめた。

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