第8話 ウインドミルと少年の決意

「今日も、なんかいい風な来ないなぁ」

 あの一件の次の日は美空が展望台に来ることもない。

 その次の日も来なかった。

 そして、その次の日の朝に約束の場所を訪れた弥太郎の目の前に美空はやはり居ない。

「……」

 あの美空の顔を見て思った。助けなければと思って行動に移した。

 だが、それは失敗した。

 であるならば、自分の行いで誰かを助けられるなどとは思い上がりではないのか?

 それを、美空がこなかった二日間で考えた。

 そして……、


「やっぱり、考えてもわかんないなぁ」


 弥太郎はもとより直感で動くタイプの人間だ。風を好み、風を感じ、風を詠む。弥太郎の生活スタイルは良くいえば自由で、悪くいえば考えなし。

 そんな彼は、何かを悩む前に行動を開始している。

 だが、今回はその悩みの部分が長かっただけのこと。

 ならば、弥太郎がすべきことは。


「僕はやりたいようにやるだけだよ!」


 長峰弥太郎は行動を開始する。

 悩んでいた時間がもったいないとばかりに全力で。

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