問題が起きたら戻す、という事でどうでしょう

 よく何かを修正してほしいと要望があった際に、


「修正を入れるとどんな問題が起きるか予測できない。なので修正を入れるべきではない」


 という話になる事があります。


 そんな時大抵、


「では問題が起きたら戻す、という事でどうでしょう」


 と言ってくる場合があるのですね。


 ほとんどの場合現場経験のない素人が言ってくるのですが、本人的には「うまい事切り替えした」つもりなんですね。


 実際「問題が起きて戻した」という例はありません。


 問題が出ればそれが直されるだけです。


 直しきれずバグが残る事も少なくない。


 無理な修正に修正が加わってより収拾がつかなくなって発売が遅れる事も珍しくありません。


 調査していって初めに入れた修正によって引き起こされた問題である事が分かった時には手遅れである事がほとんどなんですね。


 なぜそんな事態になるかというと、結局問題が起こった所で彼らはその責任を取らないからです。


 責任取らないのであれば修正は出来ない。


 必要な修正であればその限りではないですが、「こういうのを入れたいから」という理由では入れられない。




 後で問題が起きたら、という話で進めても『問題』の定義を決めようがない。


 何か一つでもバグが出たら戻す、ならよいのだが、以降一つもバグが出ないなんて事はまずない。




 なので効果があるのは、


「では問題が起きたら戻す、という事でどうでしょう」


「問題が起きるのは発売後かもしれません。なので修正はできません」


 と返すものです。


 修正が出来るのは、十分に検証ができる期間を取れた時のみです。

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