第929話 『イルマタル』 マルッティネン


 タウノ・マルッティネン先生(1912~2008)は、フィンランドの作曲家さま。


 最初は、ロマン主義的に作曲を始めましたが、時代が時代ですし、批判がかなりあり、12音技法を勉強し直して、そちらの流れで、名声を確立しましたようです。


 シベリウス先生、生誕の地、ハメーンリンナの住民でもあったんだとか。


 この作品、スウェーデンBISの、『ノルディック・ソロ・フルート・ミュージック』(CD-150)の、一番最後に置かれています。


 このCDで演奏している、フルーティスト、ジュニラ・フォン・バールさまに捧げられた作品のようです。(フルートではなく、ピッコロ用の作品みたい。)



 ものすごく、日本人好みの音楽だと思いますが、これは、あくまで、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』を念頭に置いた作品です。


 つまり、本来、日本風ではない、わけです。


 そこらあたりは、音楽の面白いところであります。


 聴きようによっては、いくらか、フランス風な香りがあると、見ることも可能かもしれません。


 それは、終結部分の、音の動き方からですが。


 『イルマタル』さまは、『カレワラ』の最初に出てくる、大気の乙女、世界の創造者。英雄ワイナモイネンさまの母。


 日本で言えば、いざなみさまに当たるような存在かしら。


 苛烈なほど、純粋な、透明な、神秘的な音楽です。


 CDがまだあるかどうか、わからないですが、こちらの方面に興味のある方には、おすすめな、涙が出てしまうような小品。(やましんは、涙があまり、分泌されない……かなしい、)


 

・・・・・・・・・・うつ 🌊 うつ ・・・・・・・・・

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