第923話 『弦楽のためのシンフォニエッタ』 クニッペル


 クニッペル先生(1898~1974)といえば、『交響曲第4番』が一応、有名かもしれません。


 それは『ポーリュシカ・ポーレ』の出所だからでもあります。


 あそこには、今から見たら、ちょっと、あぶない狂気に近い歓喜のようなものがありますが(日本にもあったような。)、しかし、あの交響曲には、おや? と、思わせる、シリアスな音楽が、密かに含まれていました。(オリンピア OCD 202)


 第4交響曲が初演されたのは、1934年。


 こちら、弦楽のためのシンフォニエッタは、1953年の作品。


 この年3月5日には、スターリンさんが亡くなり、プロコフィエフさんも、同じ日の3時間前に亡くなりました。


 やましんには、資料がありませんから、よくは解りませんが、スターリンさんの死をもって、芸術家の弾圧を続けた(ショスタコーヴィチさまが、最大の狙いだったとも。)ジダーノフ時代は、やっと、終わりになります。


 こうした、紳士な音楽のありかたが、クニッペル先生の本領だったと思ってよいような気がいたします。


 わりに、ドイツのヒンデミットさまに近い感じがありまして、本来の、中身の濃い、うつうつ的シリアス音楽。


 『交響曲第4番』は、悪夢だったのかも。


 CDは、オリンピア・レーベルからでていました。(OCD 163)




・・・・・・・・・・ うつ 💤🎠💤 うつ ・・・・・・・・・・

 

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