第874話 『二つのチェンバロのための協奏曲へ長調 Wq46』 K.Ph.E. バッハ

 ご存じ、大バッハ先生の二男さま。(1714~1788)


 前回は、『無伴奏フルート・ソナタ』で、ご登場いただきました。


 特に、なにか、という訳でもなく、なんとなく、古い中古買いしていたCDさん(280円!)を取り上げて聴いていたのです。


 解説書のぺージが、なにかで、張り付いているぞ。

 

 あまり、このあたりは、普段聞かないなあ。と、思いながら。


 ということなのですが、確かに、ご長男である、フリーデマン・バッハさまに似ていると言えば、まあ、そうなんです。


 いささか、天才ではありながら、破滅的な人生になったらしいと言われるご長男様に対して、世俗的には大成功を収めたうえ、後世にも大きな影響をのこしたとされます。


 生前は、父上よりも人気があったらしい、とも。


 しかし、最近は、どうなのか?


 引きこもりがちなわたくしには、演奏会で、どのくらい取り上げられるのかわかりませんが、この方は、鍵盤作品が中心のようですから、ピアノ方面の方には、いまだ名高いのではないかしら、と、想像はいたします。


 それはそれとして、この、第2楽章は、ちょっと泣きそう。


 バロック的な雰囲気の中に、なんとなあく、次世代のモーツアルトさまの息吹が、ほのかに芽生えているような。


 いやいや、もっと、ロマン的な雰囲気さえ、漂ようような。


 しかし、この作品は、まだ初期の作品のようで、1740年の作品だそうであります。


 大バッハさまは、ご長男様がお気に入りで、自分の後継者として高く評価していたようですが、二男様については、辛口な事を言っていたとかも、聞いたような気がしたり・・・。


 もっとも、そこらあたりは、一般が気にする必要はないのだと思います。


 やましんが聴いているのは、トン・コープマンさまと、アムステルダムバロック管弦楽団による録音です。(エラート・レーベル 2292 45306ー2 日本語解説付き。)


 このCDには、最初に『チェンバロとピアノフォルテのための協奏曲変ホ長調Wq47』が、入っています。


 こちらは、1788年、晩年の作品。


 いかにも、この楽器の組み合わせ、やはり時代が移り変わりつつあったんだなあ、ほんものかしら。という感じですが、自筆譜にも、はっきり・・・『チェンバロとピアノフォルテのための・・・』と、書かれているのだそうです。


 若い時代の作品とは、どうやら趣が大分違うようで、なんだか、前衛的で未来志向のような、不可思議な音楽で、とっても良いなあ。




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