第852話 『ヴァイオリン協奏曲 作品3』(12曲) ロカテッリ
ピエトロ・ロカテッリ先生(1695 ~1764)は、イタリア出身のヴァイオリニストで、作曲家さま。
後に、オランダは、アムステルダムに移住しているようです。
主に、ヴァイオリンの作品で知られますが、フルートのための作品もあるようです。。
ヴァイオリン協奏曲は、作品3として、12曲ありますような。
ためしに、第1番ニ長調、を聞いてみて、すぐに気がつくのは、まず、第1楽章後半に、でっかい、カデンツァがどかんと、座っていることです。
カデンツァだけで、独奏曲になりそう。
第2楽章は、いかにもイタリア産らしい、さわやかな、じゅわじゅわなお歌です。
第3楽章には、たぶん、すごく難しそうな高音が駆使されています。
かなり、ヴィルトゥオーゾ的な。
さらに、ここにも、また、さらにさらに長いカデンツァが登場してきます。
むむむ。
これは、摩訶不思議な。
と、思いながら、第2番ハ短調を聞きます。
全体の構成は、ほとんど同じです。
第1楽章は~~~
『管弦楽の序奏・・・ヴァイオリンのソロ・・・管弦楽だけの演奏・・・
長大なカデンツア(カプリッツィオと呼ばれるんだとか)・・・管弦楽の後奏。』
第2楽章は、しみじみとしたお歌。
第3楽章は、オケの序奏で始まり、ヴァイオリン・ソロが引き継ぎます。管弦楽と歌いかわし、オケがかっこよく〆たから終わりと思ったら、そのあとに、長い長いカデンツァが続くのです。
で、最後、オケが〆て、おしまい。
結局、どの曲も、ほぼこのパターンに沿って作られています。
しかし、余談ですが、考えてみれば、モーツアルト先生から、ベートーヴェン先生、メンデルスゾーン先生、シューマン先生、ブラームス先生、などなど・・・・
基本的な協奏曲の形は、つまり、骨組みは、極端には違いません。
もっとも、カデンツァは、演奏者にお任せの曲(昔は、お任せが普通だったが、勝手に弾かれるのが気に入らないのか、作曲者がちゃんと書いてくれてるのもあり。(メンデルスゾーンさまなど、その代表。シベリウスさまも、そうです。ベートーヴェン先生は、ピアノ協奏曲第5番では、カデンツアはある、と見せかけるだけ。ベートーヴェン先生は、モーツアルト先生のニ短調ピアノ協奏曲に、すっごいカデンツァを書いています。でも、そのバージョンは使わずに独自のカデンツァを弾く方もあったような。この場合は、それも良し。)
またそのカデンツァの位置についても、古典的な協奏曲は、ソナタ形式の再現部が終わった後に入れるのが基本ですが、メンデ先生は、再現部の前に置いています。チャイコフスキーさまは、その流れを汲んでいます。
シベリウス先生などは、もともと、第1楽章に、巨大なカデンツァを二つ入れていましたが、改定版で、ひとつにしました。もっとも、小型のカデンツァが曲の冒頭に残っています。しべ先生の場合、カデンツァそのものが、展開部のそのものの中心になっているので、ほかのものを入れる余地がまったくありません。
カデンツァなんていらないやあ。
と、取っ払った作曲者様も、ありました。
この、ロカテッリ先生の場合は、管弦楽(といっても、弦楽合奏ですが。)は、たとえば、ヴィバルディ先生とかにも、割と近い位置にあります。
しかし、ヴァイオリンのソロは、かなり特徴的で、カデンツァと目されるところも、作曲されたんだろと思いますが(むしろ、独立した独奏曲)、半音階なども使って、すっごく微妙な音階を使ったり、重音奏法を使ったり、(やましんは、ヴァイオリンも弾けませんが。)多彩な技法をこれでもかあ、と、盛り込みます。
やはり、これは、ロカテッリ先生の卓越した技法を聴かせることに大きなポイントがあったような気がしますし、根拠のないことですが、後のパガニーニさまに続くような趣さえあります。
なかなか、スリリングで、面白いです。
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