第850話 『ピアノ協奏曲変ニ長調作品6』 シンディング

 勝手に、850回記念ということで、シンディング先生(1856~1941 )にご登場願いました。


 『レア音』では、登場済みですが。


 クリスチャン・シンディングさまは、ノルウェーの作曲家さま。


 このピアノ協奏曲は、1889年に作曲され、1901年に改定とのこと。


 シンディング先生の歌劇『聖なる山』を聞きますと、ワーグナーさまの影響が非常に感じられるのですが、この協奏曲に関しては、あまり、誰かの影響という感じはしません。


 むしろ、たいへん、オリジナルな協奏曲です。


 第1楽章に出てくる主題が、全曲の主題になっていまして、循環形式のように見えますが、どしろとのやましんが言うべき資格もなにもありませんが、循環というより、主題の大胆な変奏曲みたいな感じです。


 第1楽章は、わりに形式的には伝統的なソナタ形式に見えますが、ここは、良くできた音楽で、たいへん、感動的でもあります。泣きそうなくらい。


 冒頭が非常に印象的なのは、先輩、グリーグ先生のピアノ協奏曲に匹敵しますし、音楽の作りもひけをとりません。


 終わり方も、カッコ良い。


 第2楽章の主題は、そういうわけで、第1楽章の主題からできています。


 しかし、なかなか、じゅわじゅわになっております。


 第3楽章も、同様ですが、快活であると同時に、なかなか、ロマンチックな側面も持ちます。


 なんと言っても、終結部が素晴らしいです。


 圧倒的に盛り上がります。


 グリーグ先生のピアノ協奏曲や、アッテベリさま、ステンハンマルさまの2曲のピアノ協奏曲と並ぶ、北欧系ロマンチックピアノ協奏曲の傑作です。


 なお、交響曲がよっつ、ヴァイオリン協奏曲がみっつ(もともと、ヴァイオリンから勉強を始めた。)あります。


 もちろん、日本でも、よく知られているのは、ピアノ曲、『春のさざめき』(ささやき)です。


 グリーグ先生のピアノ協奏曲のようには、あまり、録音に恵まれないのですが、やましんは、やはり、エヴァ・クナルダールさまの録音(ノルウェー NKFCD 50016-2)が、名演奏だなあ、と、ずっと思っていて、今も変わりません。


 夏向きの、爽やかなピアノ協奏曲。




・・・・・・・・・・うつ  😭・😢 うつ・・・・・・・・・


 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る