第664話 『ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタイ短調』 シュメルツァー
ヨーハン・ハインリッヒ・シュメルツァー先生(1620ころ~1680)は、ニーダーエストライヒ(低地オーストリア)生まれの、ヴァイオリニスト、作曲家。
ビーバー先生(1644~1704)と活躍した時代が重なる方です。
実際、今聴いておりますCDは、エレーヌ・シュミットさま、渾身の演奏でありますが(アルファ Alpha109)、あたまから、たいへん
ビーバー先生の『ロザリオのソナタ』に、似た作風であります。
つまり、ロザリオのソナタは、ビーバー先生の専売特許みたいなものでもなく、時代の流れのなかにあった、しかし、とびきりの名作だったわけでしょうか。
この、イ短調のソナタのあとに入っている、『チャコーナイ長調』が、また、すばらしく、感動的。
癒し度、非常に高し。(個人差あります。)
なんだか、ちょっと、泣きそうになりそうな。
ドイツ方面でさかんになる前に、イタリアで作られていたヴァイオリンの作品を、最初に輸入して学んだのが、シュメルツァー先生あたりだったようであります。
なぜ、この時代の音楽が、こうも、うつうつに、じゅわじゅわと効くのかは、いささか、なぞであります。
日本で言えば、江戸時代の初期あたり。
江戸時代が、経済的、文化的に、まったく、停滞期だったと考えるのは、正しくないようですが、しかし、近代化の、つまり、産業革命の流れに乗り遅れたことは、間違いないですが、それでも、ドイツやロシアに比べて、ものすごく、遅れたわけでもありません。(日本での産業革命を断絶とみるか、連続とみるかで、マルクス経済学者さまと、資本主義経済学者さまが、鋭く対立したことがございましたが。)
こと、音楽に、関するかぎり、明治以降、なかなか、西洋音楽に親しめない方も多かったし、いまでも、音楽は、演歌❗というかたもあるでしょうけれど、学校でならう音楽の基本は、西洋式の楽譜が主体で、演歌だって、日本古来の譜ではなく、五線譜でかかれております。
また、ポピュラー音楽でも、音階的に、演歌や、民謡に近い、五音音階を活用している場合が、良く見られます。
バロック時代のなかにあって、この、シュメルツァー先生や、ビーバー先生の旋律には、どこか、そうした部分に、触れている何かがあるのだろうとおもうのですが。
・・・・・・・・・うつ 👼 うつ・・・・・・・・
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