第628話 『ピアノソナタ第1番ヘ短調』 ベートーヴェン
ベー先生の、記念すべき、第1番のピアノソナタです。
1795年の作曲。
4楽章形式の、がっちりと構成された超耐震設計。
さすが、ベートーベン先生と、言いますか、第1番という名の、鉄壁の完成度を持つ傑作。
ベー先生は、大変に幅の広い表現力を持つ作曲家で、それは、交響曲でも、はっきり示されるわけでありますが、生涯に渡って書かれたピアノソナタでは、一層、ストレートに感じられる気がいたします。
沢山の人々によって演奏される管弦楽曲と、ひとりで演奏するピアノソナタ。
形は違いますが、ベートーベン先生の世界は、厳しく、優しく、巨大な包容力があり、また、『かあーつ❗』と、一発、きょうさくを入れられるところもあり、負けるなあ❗と、死にそうなやましんを叩き起こしたりもし、また、たっぷりと、抱き込まれたりも、いたしますが、第1番のソナタから、すでに、そうした世界が広がります。
『うつうつ』でも、先に登場済みの、世間で大人気をとった、『7重奏曲作品20』は、1799年から、1800年にかけての作品ですが、こちらは、大変に、エンターテイメントな、傑作。
しかし、ベートーベン先生が真に目指していた方向は、この、ピアノソナタの方向だったのでありましょう。
それでも、若い作曲家さんは、人気を得て、社会進出する必要がありますし、収入も必要。
ベートーベン先生も、若い時代は、社会にアピールし、社交的な活動も、積極的に、やったようですが、次第に、社会からは、距離を置き、また、気難しくなっていった感じです。
それは、難聴の問題や、政治的な考えや、社会の成り行きや、家族の問題や、失恋などもあったし、まあ、やなこともたくさんあった。
それでも、いくらか、過激な行動もあったかもしれませんが、最後まで、音楽で、とことん突き詰めてゆくことは、止めませんでした。
突き詰めようとすると、ぶつかる事が多くなる。
そこらあたりは、漱石先生がおっしゃいました通りで、世の中は、生きにくいものです。
人生、上手い、下手、も、ひと様々でしょう。
下手だって、良いではないか。
自分の歩き方は、自分で見極め、あきらめないで、前に進みなさい。
たまには、休んだって良い。
しかし、君が思う、前に、進みなさい。
ベートーベン先生は、たぶん、そう、おっしゃるのです。
究極の、肯定的生き方です。
確かに、ベートーベン先生の音楽は、生きることに、肯定的な気持ちを引き出す力があり、同時に、深〰️〰️い、慰めをくださいます。
ここから、32曲、傑作ピアノソナタが、連なります。
外れ、なし。
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