第341話 『交響曲第5番』 ブルックナー

 完成したのは1878年の1月なのだそうですが、初演は1894年4月9日まで行われず、そのさいも、シャルクさんがほぼ勝手にやった改定版で実施されたとのこと。


 ブル先生の交響曲の中でも、この曲を非常に高く評価するかたもいらっしゃいますし、そこらあたりは、その方その方によって、さまざまでありましょう。


 そうした順番づけは、『うつうつ』の興味の対象ではございませんが、そうはいっても、この曲のフィナーレはやっぱり壮大であります。


 まったく、うっとおしい、この11月の夜でありますが(1年の中でも、たぶん一番うっとおしい。もう、やましんなんか、どうしていいんだか、わからない状態であります。こうなったら、食べるのが一番良い、となるのは当然ですが、それは、死にたくなければ、ご法度のやましん・・・もう、絶望的。あ、・・・・個人的見解です。)


 で、そうのような時期にあって、この終楽章は、非常に刺激的です。


 フーガの主題は、なんとなく、え~、失礼ながら、いなかくさいといいますか、それこそ、武骨な大教会の石積みみたいな感じで、あまり美味しくはないです。


 それが、ブル先生独特の印象的なモティ-フと絡み合って最後になだれ込むあたりは、開いたお口がふさがらないくらいに、圧倒的な迫力があります。


 うっとおしい、なんて言ってられない。


 こうした、じゅわじゅわではない、荒業で圧倒されるのも、たしかに、うつ対策としては有効なんだと、実感するのであります。


 うそだと思ったら、聞いてみてください。(あ、個人差あります。)


 もっとも、その前に、第2楽章では、ゆったりとした雰囲気を味わうことができます。(寝てしまうこともある。)


 ブル先生の緩徐楽章としても、割と安定しているので、しろとも、安心して聴くことができます。


 第3楽章も、たしかに、ブル節なんですが、他の曲とはすこし異なる面持があるユニークな音楽です。


 『第4番』が、少し甘口なのに対して、こちらは、相当、辛口の日本酒的な舌触りであります。


 これは、やっぱ、傑作!



 ********** うつ 🍶 🍶 🍶 うつ **********





 





  





 



 

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