第311話 『レクイエム』 コッコネン
ヨーナス・コッコネン先生(1921~1996)は、シベリウス大先生以降のフィンランドにおける、もっとも有名な作曲家のおひとりであります。
若いころから、12音技法にもとずく作品を書いたものの、調性的な解決を放棄はせず、しばしば、最後は温かいホ長調の終結和音を好んだのだそうであります。(フィンランドの音楽 1997年 オタヴァ出版印刷所)
『レクイエム』は、1979年から1981年にかけて書かれた作品とのことです。
冒頭から、バリトン独唱と合唱が歌いかわす、『レクイエム エテルナム ドナ エイス ドミネ エト ルクス ペルペトゥア ルチェアト エイス・・・・・』(これが『レクイエム』と呼ばれるゆえん。 永遠の安息を彼らに与えたまえ 主よ 永遠の光で かれらを 照らしたまえ・・・)から、混沌を彷徨うような音楽が続きます。
しかし、そこは、シベ先生を継いだシンフォニストでもありますから、オケが非常に雄弁で、交響曲のような広範な表現力を見せながら進みます。
やはり、美しく印象的なのは、最後の3曲で、コッコネン先生は持ち味を発揮します。
『アニュス デイ(神の子羊)』『イン パラディスム(楽園にて)』『ルックス エテルナ(永遠の光)』です。
とくに、一番最後の『Lux aeterna』 は素晴らしいです。
鳥の鳴き声のような木管楽器のささやき。
ふと、登場する、ソプラノのソロ。
いつの間にか、響きが長調に傾き、深い想いの中に、永遠に過ぎ去って行きます。
今回の災害の犠牲者の方に、捧げたいと思います。
*やましんが聞いたCDは、【MILS 9759】。1997年4月27日のライヴ。でも、会場の雑音は、ほとんど聞ききとれません。『イン・メモリアム・コッコネン』となっておりますゆえ、おそらく、コッコネン先生の追悼盤だったのでありましょう。解説文もなにもない、極めてシンプルなCDです。
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* この作品は、以前『うるうる』に登場していたことに、あとから気が付きました。しかし、いくらか日にちも経っておりますし、このまままにさせていただければと思います。
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