第251話 『ガヤネー(ガイーヌ)』 ハチャトゥリアン


 なんだかんだといいましても、ハチャトゥリアン先生(1903~1978)の人気作品。


 本来は、バレエ音楽ですが、内容自体は、ソヴィエト時代の各民族の融和と永遠の繁栄を歌いつつ、たとえ家族であれ、腐敗した悪い悪代官みたいなやつなら、国家のためにならば、まよわず、内部告発いたしましょう、さすれば、幸せがやってくる、と、いうような、正しんだか、危ないんだか、やっぱり、なんだか、とっても危険な感じもする、なかなか刺激的なもの。


 コルホーズを舞台に、主人公ガヤネーさんが、不正している夫を告発し、新しい、良い夫を得るというお話しに、全体の幸福がかぶさってくる。(なお、現代日本でも、企業や役所内の不正は、内部告発して、浄化しましょう、という動きは、近年高まってきてはいますが、それとは、いささか違う感じがしますが………。)


 まあ、現代では、一般論としては、ちょっと時代遅れな感じがする内容。


 ただ、こうした、革命を讃えた、なかなか、はでな音楽を伴う、大衆的バレエは、当時のバレエ関係の当事者には、それこそ、生き残りを掛けた、命懸けの勝負だったようなことです。(チャイコフスキー先生のような、お姫様と王子様と魔法使いさんのお話しでは、文字通り、生き残れない‼️)


 最初は、1942年、まだ、スターリンさんが生きていたころ。


 このかたに、嫌われたら、命がない。


 1957年には、内容が改訂されたとのこと。


 まあ、内容はさておき、音楽は、さすがは、ハチャトゥリアン先生の最高人気作品。


 俗っぽいけど、じっつに、良くできております。


 もちろん、『剣の舞』が名高いですが、やましんは小学生時代から(つまり、改訂されたばっかりの時代……)『ばらの花の少女の踊り』が、大好きであります。


 『こもりうた』も、いい❗


 『レスギンカ舞曲』も、有名。


 ちょと、うるさいけれども。


 ハチャ先生ご自身の指揮による録音が、むかしから有名であります。


 ただ、やましん、全部は聞いたことない気がします。


 で、なんで、また、この派手目な曲が『うつうつ』なの?


 それは、まあ、『うきうき』とは、いささか違うから、です。


 どちらかと言えば、セピア色になった思い出みたいな感じだから。


 ただし、これは、やましん内部の心象であって、実際には、なかなか色彩豊かな音楽。


 チェクナヴォリアンさま指揮による録音を聞くと、セピア色なんか、ぶっ飛びそう。




 ・・・・・・うつ  🕺💃 うつ・・・・・・・・・・・・

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