第150話 『コレルリの主題によるファンタジア・コンチェルタンテ』 ティペット
マイケル・ティペット先生(1905~1998)は、まさに20世紀全体を生き抜いたイギリスの作曲家さんであります。
この曲は、コレルリ先生(1653~1713 イタリア)の生誕300年記念の為に委嘱されて1953年に作曲された作品だそうでありまして、主題は、コレルリ先生の『合奏協奏曲作品6-2』から頂いたそうです。
冒頭部は、バロック的というよりは、ややロマンティックな、じゅわじゅわな面持で始まりますが、その後、ちょとモダンになったり、またまた、イギリス的田園音楽的になったり、またまた合奏協奏曲のようにソロ・ヴァイオリンが舞い上がったりもしながら、なかなか多様な側面を見せながら変奏曲のような感じで、わりと淡々と進んでゆきます。
若き日には、音楽を勉強しながら、トロツキー思想に惹かれたりしながらも、やがて反戦平和主義に行き着きますが、第2次世界大戦時期には、良心的兵役拒否をして、社会との摩擦やら、また、個人的な苦悩などから、ずいぶんと悩める時期があったのだそうであります。
しかし、やがて精神分析学に出会い、(ユング派のかたが先生だったとか・・)新しい境地を切り開いていったのだそうであります。
93歳、亡くなる直前まで、お元気で活躍なさっていたんだそうでして、シベリウス先生を超える長生きをして、いろいろ、でこぼこ道やら大きな障害が立ちふさぎ、歴史の波風も強かった時期でもありますけれども、そこを自ら克服して、めでたく功成り名遂げた人生だったようです。
たしかに、元気で長生きで、きちんと仕事もできるなら、そんな目出度い事はないのでありますが、「来てもらっては迷惑だ!」と、ほぼ、そう職場で言われてしまったやましんとしては、(ま、事実でしょう)、『一億総活躍』にも参加せずでありますし、国会中継を聞いていても、ただただ、もう、かなり、申し訳なく(
じゃ、聞くなよな)、ここで生き恥をさらしていてよいのか! と、思いはしますのですが、定年も過ぎたし、お外に出るのはやはり怖いので、せめて、良い音楽の、少しだけでも宣伝にでもなれば、いいよなあ、と思いつつ、このように書いております。はい。
なので、これも、現代音楽としては、ちょっとくせはあるけれど、大変、接し易い美しい良い音楽です。
なお、そのコレルリ先生は、まだ『うつうつ』にも『うきうき』にも、どこにも登場していただいてはいない気がいたしますので、次回あたり、ご登場願いましょうか・・・。
この方、ただものでは、ないのであります。
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