第62話 『小舞曲』 丹波 明

 これがまた、じゅわ~~~~とする、良い音楽なのです。


 1974年の4月から9月にかけて、NHKで放送された『小出信也』さまが講師をなさいました『フルートとともに』のテキストに含まれておりました。


 また、LEDUC社から楽譜が出ています。


 当時、やましんは高校生でしたが、腎臓にやや問題があって、夏休み中入院生活をしていたのですが、楽譜にあるメモでは、『8月1日~』、と書かれていますが、これが放送された日なのかどうかは定かではありません。


 まるで、永遠の中を彷徨うようなピアノの伴奏に乗って、ちょっと物憂いフルートの旋律が始まります。


 いくらか、東欧の民族音楽調でもあり、また、ラヴェル様の音楽のような感じもします。


 すこし、微妙にリズムを揺らしながら、ゆったりと進みます。


 やがて、曲調は変わり、ぐっとラヴェル先生風に傾きますが、しかしここは、やましんには、自分にとって、懐かしい街の夕暮れの情景のようにも聞こえました。


 この中間部は、夏向きの素晴らしい音楽です。


 ぐぐっと盛り上がった後、もういちど、ゆっくりとテンポ・プリモで、懐かしそうに再現されるところなんかは、失神しそうなほど素晴らしい。


 それから、また物憂げな冒頭の音楽に戻り、永遠の中に帰って行きます。


 おそらく、アマチュアが演奏できるレヴェルと言う事を考えて書かれた曲だと思いますが、追及したら、限りない表現が可能な奥の深い音楽です。


 むかし、一回だけ、録音の宣伝を見た気がしますが、現在は発見できません。


 あまり巷で演奏されるのを聞きませんが、とっても良い曲!


 フルート吹ける方は、ぜひ、やってみてください。


 初級の方でも、たぶん、挑戦可能。


 

 




 

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