第35話  『雨』より『雨』 多田武彦

 レコードの解説で、たった5行しかない詩は、八木重吉さまの作詞。

 大学のグリークラブなどでは定番のうたです。


 『・・・・・そっと世のためにはたらいていよう・・・』

 『・・・・・雨があがるように しずかに死んでゆこう。』


 そうなのです、やましんも学生時代にはそう思いました。

 なんか、かっこいいな。


 むかしは、よく、お風呂で独唱していました。

 もう、それは止めてしまいました。


 結局、敗残兵となったいまでも、まだ、こう言えるのでしょうか?

 敗者に、こんなにりっぱな言葉がうたえるものでしょうか?


 そこんところは、非常に難しいところです。

 あこがれなくても、終わりは近いから。


 ただし、まだはっきりはしていませんけれども。


 それにしても、美しいうたです。

 冬の夜の、まったく透明に、永遠にまで見え尽くしている空のように。


 


   うつ ********** ☔ ☔ ☔ ********** うつ 



 


 



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