用語集「戦闘編(第二章)」





〜 戦闘編 〜






※二章ラストまでのネタバレが含まれています!ご注意ください!





◯「航船こうせん

魔力によって動く巨大な船。

海航船、砂航船、空航船の三種類がある。



◇「ヘパイストス」

砂賊船「ヘパイストス」で運用されている紅い装甲が特徴的な巨大砂航船。

全長70mという巨大さに反して、その機動力は他の砂航船を遥かに凌駕する。

マギアメイル運用能力もすさまじく、マギアメイルも同時に20機以上を積載することができる。


船内は主に四層に分かれており、指揮層、居住層、整備層、地下層とそれぞれ用途が分かれている。


なお本来は輸送船として運用される予定であった船を強引に改装した船であるため、武装はあまり積まれていない。




◯「術式じゅつしき

魔方陣に魔力を供給することで使用することのできる魔術の類いの総称。

炎や氷などの属性を持つものや、純粋な身体能力の強化と作用するものなどその種類は様々。

その敷設にはある程度の技量と時間を必要とする。




◯「崩街事変」

ワルキア皇歴400年に勃発した事件。

王都東部に位置していた小さな街、「リバーブ」にてある時期を境に突如として住人が失踪、街は廃墟となった。

現在でも街は瓦礫の山となっており、もはや誰も踏みいることはない。


……というのは表向きの話である。

実際は王国の騎士団の一つである「玄蛇騎士団」が王都への反乱を企てた際、「リバーブ」に亡命、潜伏していたリディアナ・アルクス・ワルキリア、及びアルテミア・アルクス・ワルキリアを誘拐しようとして引き起こした事件。

十機ほどで街を襲った騎士達は、次々と街に火を放ち、民間人達を掃討していった。


リバーブで隠居生活を送っていた引退騎士たちがこの迎撃に当たったものの、整備の行き届いた最新のマギアメイルには太刀打ちすることが叶わず、街は全滅することとなってしまった。


なお事態の終息後、王都は本事件の隠蔽を決定。

臣民に不安を与えないようにと、リバーブの存在を秘密裏に地図や書籍類から消去した。


―――その事が、唯一生き残った少年シュベアにとって疑念と復讐心を強く抱かせる切っ掛けとなったのは言うまでもない。




なお、玄蛇騎士団は黒武騎士団から分化した騎士団である。

その構成メンバーは粗方王都により捕縛されたものの、一部が亡命してグリーズへと潜伏しているという噂がある。




◯「魔力まりょく

水晶界で暮らす人々全員に生まれつき備わっている力の総称。

その特性は人によって千差万別で、各々得意な術式が存在している。


なお最新の研究により魔力にも種類があり、汚染されることがあることが判明した。

汚染された魔力は魔物を産み出したり、土壌に大きな影響を及ぼすが、何故このような現象が発生するかは不明。




◯「マギアメイル」

魔力駆動鎧。

本来は巨大な鉄の装甲に「操縦術式」を通し、自らの手足のように扱うことができるようにした巨大な鎧。


その外見、能力共に製造した国によって特徴があり、グリーズ公国で製造された機体は実弾に強い重装甲、ワルキア王国で製造された機体は機動性に重きを置いたセッティングが為されている。


なお、砂航船「ヘパイストス」で運用されている機体は、フリュム帝国製のものを改修したもの。




◯「マギアエンジン」

魔動力機関。

魔力を内部で循環させ、その際に発されるエネルギーを動力に変換して稼働する動力源。

魔力貯蔵槽は完全密閉式となっており、例え空間に魔力が一切存在せず、搭乗者が一切魔力を持たなくとも一定時間稼働を続けることが可能となっている。

本機関を搭載することで、無適正者でもマギアメイルの術式を展開することができ、魔力を持つものが運用した場合には操縦者の魔力を消耗することなく長時間の戦闘を行うことができる。




◯「魔物モンスター

人に仇なし、人を餌と喰らう化け物。

その正体は未だ不明だが、水晶界に生息する生き物がなんらかの要因で変質したものであると学士たちは仮説を立てていた。


なお最新の研究により、魔物化の原因は汚染された魔力をその身に浴びたことである、という仮説が打ち立てられた。

魔力が汚染された原因は不明だが、ワルキア王国で起きた大水晶の変質のような現象が自然界でも発生していることが確認されている。

そのことが生態系に大きな影響を及ぼした結果誕生したのが魔物である、というのが現在の学界での共通の見解となっている。


◇『七罪セブンスコード

フェルミ・カリブルヌスが呼称した謎の存在。

文脈から、ワルキア領に出没した強力な魔物のことを表していると思われる。


『「強欲」の魔龍』

突如としてワルキア王都近郊に出現した、過去に一切出現例のない謎の超大型魔物。

その身体は90メートルほどの巨体で、その各部には瞳のような物が無数に配されている。

その最大の特性は胸部の結晶から発される黒いオーロラ状の波動で、これが展開されると半径数キロメートルの範囲に存在する魔力は一時的に消滅してしまう。

また、消滅した魔力は魔龍自身に吸収されており、それを高圧縮した破壊光線を放出することで、相手を文字通り総崩れとするほどの殲滅力を誇る。


『「怠惰」の魔蠍』

砂漠に潜伏していた謎の大型魔物。

蠍のような姿をしており、巨大な鋏と鋭利な尾を持つ。

外敵を発見した際には、その鋏の中から高熱度の火球を放出。それでも撃破できなかった相手には尾に煌めく銀色の巨大な刺槍を発射して狩りを行う。


その最も特徴的な能力は空間の隔離。

自身を中心とする半径5kmを物理的、魔術的に外界より隔絶する。


隔離された領域は外界からは黒い正方形のように見え、外部から干渉を行っても一切内部へは影響しない。


隔離された空間は謂わば魔蠍の寝床であり、そこにある魔力は全て彼の餌。

空間中の魔力は徐々に魔蠍に捕食され、最終的に全ての魔力は消滅してしまう。


なお、水晶人類は身体の機能の維持に無意識のうちに魔力を使用しているため、魔力が一切ない空間では徐々に衰弱し、いずれ死滅する。


そのため、あと数日のうちに地下空洞にて魔蠍を発見していなければ、その場にいた水晶人類は全員死亡が確定していたことになる。



◯「ユニット」

マギアメイルに取り付けられる追加武装。

これにより、マギアメイルはそれぞれ他機とは違う特色を発揮する術式を獲得することができる。

ユニット内に搭載されている術式の起動は、通常の術式搭載型道具と同じように魔力を伝達するだけで行うことができる。しかしその性能は操縦者との相性によって大きく上下するため、安易に大量に取り付けたからといって必ずしも強力になるとは限らない。



◇各マギアメイル搭載ユニット一覧(二章)


『蛮騎士』= 「強化術式ユニット「ストレングス」」


『妖術女』= 「拘束術式ユニット「アリアドネ」」




◯「回転式魔弾銃リボルバー

フィアーの載る『騎士』が装備している魔弾銃。

製作者のエンジがフィアーとの会話の中で得たインスピレーションを元に開発された新型武装で、他の銃には似ても似つかない外見をしており、その見た目はフィアーの知るリボルバー銃「Pfeifer Zeliska」に酷似している。


弾丸には事前に高圧縮された魔力と起動直前で停止状態となっている術式が充填されており、敵に着弾したと同時にその効果を発揮する。


上記の特性から操縦者からの魔力供給を一切必要としないため、無適正者でも容易に使用することができるが、その弾の製造コストは他の比ではない。

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