第70話:ヤバ系の人・・・・?

 ゲ~ーーーー❗! 

 ヤバ系の人?


 顔は怖いし、カッコはヤバい。

 近くにいたら、絶対、友達に

なりたくない感じだ。


 アリスさんも綺麗な眉をひそめた。


「ずいぶん仲が宜しいようで・

・・」

 ゆっくりとポケットから手を

出した。


 うっわ~ーー、どうする。

 銃とか出したら、オレが

アリスさんの盾(たて)に

ならないと~ーーー。

 

 だが、心配も徒労に終わった。

 フリスクをカチャカチャと

振り鳴らした。


「別に・・・」アリスさんが応えた。「何か用でしょうか・・・」


「フフ、新しい彼氏か。

それとも隠し子かな。」

 おいおい、隠し子って・・・


「そんなワケないでしょ。

オレ・・ボクは、大学生ですよ。


「ふ~ン、オレは、また中学生でもナンパしたのかと思ったよ。」


「中学生って・・・」

 何だ。この人・・・マジか。


「あいにく・・・」

 アリスさんは、厳しい顔で応えた。

「年下に興味はありません。」


 え・・・、そうなの・・・

「へ、そいつは、ど~も・・・」フリスクをカリッと噛み砕いた。


 年下に興味ないって・・・

じゃ、オレの事なんか・・・・


「フフ、」尚も下品な笑いを浮かべ、「そ~いやぁ、白鳥さんも、かなり年上だったしな~。」


「関係ないでしょう。あの人の

事は・・・・」


 え、何、何の話し・・・。

白鳥聖矢の事・・・?


「関係なくは、ね~だろ。」

不敵に笑って、「あの事件で最も

得をしたヤツは誰だ。」


「さぁ、それは・・」

 アリスさんは、そっぽを向いた。

「考えるまでもなく私でしょう。


「そうさ。動機は、たっぷりある。アリバイは、一切ね~。」

 動機・・アリバイ・・・

何の事だ・・・・。


「私は、あの夜、自宅にいました。」


「ああ・・だが、証明するヤツは

、一人もいね~んだ。」


「あんな夜中にアリバイがある

方が余計、怪しいンじゃないの

・・・」


「どうかな。やっぱり美女が

真犯人ってミステリーは腐る

ほどあるしね。」

 それには、同感だが、何なんだ。

 アリスさんを犯人扱いしやがっ

て・・・・。


「だったら、逮捕でもすれば・

・・」吐き捨てるように言った。


「ハッハハ・・・」

 いきなり大声で笑いだした。


 おいおい、通行人が変な顔して

通りすぎていくだろ・・・。


「まさか・・・」

大げさにジェスチャー交じりで、

「証拠がね~し、令状だって取れね~よ。」


「これ以上、用がなければ、

帰って構いませんか。」


「へっへ、じゃ、また今度、

デートに誘うよ。アリスちゃん。


「さ、行きましょ。」

 え、ええ・・・、

 オレは一拍置いて、

ヤっちゃんを避け、アリスの後を

追いかけた。


 少し離れたトコで、アリスさんに、

「あの~・・・警察の方・・ですか・・」振り返って見た。


 まだ、こっちの様子を伺って

いるようだ。


「ヤっちゃんじゃないから、

安心して・・・・」

 は~・・・

 だが、他にもグレイの車が

オレたちを見張っていた。

 いや、アリスさんをだろうか。


 ハンドルを握る手にはタトゥが施(ほどこ)されていた。


 オレは、アリスさんに、

「どういう事ですか・・・

アリバイとか、動機とか・・・

作家の白鳥さんの事件ですか・・

・」


「怖い・・・?」

「え・・、あ、別に・・・・」

 いや、怖いけど・・・、


「あとで、大事な話があるの・・

・。その時、一緒に話すわ。」


「え・・大事な話し・・・」

 ゴクリとノドが鳴った。


 グレイの車がゆっくりと

オレたちを抜いていった。















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