〜幕間〜

「なぁトロン」

「なぁにムチャ」


 二人はトボトボと森の中を歩いていた。

 まだ昼間ではあるが鬱蒼と茂る木々により日光は遮られ、森の中は夕暮れのように暗い。

「ここどこだろうな」

「知らない」

 プレグ達と街道の分かれ道で別れて三日。

 プレグから分けてもらった食料を食べ尽くした二人は野ウサギを追いかけ森の中に入ったはいいが、すっかり迷ってしまっていた。

「腹へったなぁ」

「へったねぇ」

 二人は出口のわからない森の中をもう半日近くトボトボと歩き続けている。

「見ろトロン、キノコだ」

「あれはシビレタケだよ」

 ムチャの指した木の根元にはいかにもな色をしたキノコが生えていた。

「本当にいざとなったら食べよう」

「うん」

 二人はそのキノコを採取しカバンにしまう。

 そしてまたトボトボと道無き道を歩き出す。

「俺達このまま飢え死にするのかな」

「ムチャが先に死んだらムチャを食べて生き残るよ。ムチャをムチャムチャ食べるよ」

「それは笑えない」

 二人は大きなため息をついた。

 旅を始めてから何度目のため息か数えきれない。

 しばらく歩くと二人は拓けた場所に出た。

「トロン! 村だ、村がある!」

「助かった」

 二人が森を抜けて出た場所には小さな村があった。

 しかし人影は1つもない。


 そこで暮らしていたのは……

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