鵺ブラスター/ケダモノガカリ

作者 大竹斬太

26

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★★★ Excellent!!!

主人公は平成の記憶を持ちながら江戸で目覚める。持ち物はたくさんのお金に刀。そして謎の数字。

僕は江戸がいかような街であるのか、または江戸時代の人がどういう人物なのかを知り得ないが、本作に登場するキャラクター、舞台は本当に江戸にいるかのようである。したらば、諸兄は当然想像するはずだ。江戸の血なまぐさい匂いを。

前世は刀に恋をしていたのではないかと考えられる作者が刀を筆で振るいあげれば、時代劇さながらの活劇が繰り広げられる。

そして、謎が謎を呼ぶ展開に徐々に読者は本作の世界に引き込まれて行くのを感じて行くであろう。

★★★ Excellent!!!

 導入こそ主人公の戸惑いだが、そこから始まるのは、記憶を失った彼が戸惑うのも当然な、そんな温かい江戸の空気。
 腕も立つし、怪しい仲間からも一目置かれるイカした男。ただし、身に覚えは全くなし!
 そんな彼が謎の暗号を解き事件に首を突っ込み始めると、出るわ出るわ、寄るわ寄るわの展開。

 様々なキャラクターが主人公を中心に、どんな魅力的な反応を繰り広げてくれるのかが、すごく楽しみになる一本です。

★★★ Excellent!!!

主人公が、タイムスリップした……!? した、と断言できないのがこの物語のとてつもなく深い部分なのです。目を覚まし、会話をする人々や環境は江戸そのもの。しかしこの時代にはあってはならない技術のものもあったりと、謎に満ちた物語です。

この、江戸を舞台となる人物たちの話し方や環境の、細かい、細かすぎて本当にそこにいるみたいだと思ってしまう描写を含め個人的にとても好きで、時代劇を好んでいた私にとって、とても魅入ってしまうものがありました。

是非、一読されてみてください!

★★★ Excellent!!!

江戸時代を舞台としたタイムスリップもの。――と書いたのは便宜上のことであって、本作の主人公が果たして本当に未来からのタイムリーパーなのかは未だ作中で明かされていない。平成の記憶を持ち、江戸の若侍として突如目覚めた主人公――彼が自分自身の正体を推理していくのが、現時点(第二話の七まで)における本作の主軸となっている。

主人公の一人称で繰り広げられる話運びは、軽妙かつ明快で、さらりさらりと読み進めていける「スピード感」を備えている。主人公の不思議な目覚めから、現状把握、謎解きへの乗り出しと、テンポよく進む物語が楽しく、どこの誰なのかもわからない彼に読者は気付けば感情移入している。これは、ひとえに読者への配慮が行き届いた読みやすい文章や、物語を脇から彩る豊富な時代考証のなせるワザだろう。

そして、この作者の作品に欠かせない要素といえば、何といっても格好良い刀だ。
若き剣客ヒーロー達の活躍を描いた「剣豪戦隊ブゲイジャー」をはじめ、刀を格好良く描くこだわりにかけてはカクヨムで右に出る者はいないと思われる大竹氏。氏が満を持して送り出したこの新作もまた、戦国の世から受け継がれた大刀、大振りの脇差し、剣客として鍛えていたらしき主人公の身体つき、そして凄腕の剣士と言われる女傑ヒロインの存在と、随所に刀へのこだわりが溢れている。
未だ自分が何者かを知らず、己の剣の腕についても知らず、実際に刀を振るってもいない主人公。だが、己の出自の謎を追って奔走する中で、少しずつ戦いの気配が彼の背後に忍び寄ってきた感がある。この後の展開では、いよいよ血湧き肉躍る斬り合いが待ち受けていることは予想に難くない。手に汗握る気持ちで続きの更新を待ちたい。