雪の靴
狂い咲きの桜は雪を纏い佇む。
凍った蕾にキスを落としましょう。
裸足に雪の靴。
汚れも知らぬ色の清き靴。
赤くなって白くなって
ジンジンと甚振られたその足は
清さ故に尚も脱ぐことはない。
暖かさがほしいと言葉にしてしまえば
自身が汚れると恐れ口を閉ざす。
狂い咲きの桜のように雪を纏って蕾にキスを。
実を付けて繁栄あらんことを願う。
凍えながら飲み込んだ言葉を閉じ込めて
踊り狂い咲く。
どうかその人に暖を。
次は私がその靴を纏いましょう。
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