社会人一年目の主人公が手を出してしまったのは、墨ありの人たちの女性だった!関西弁の人情味溢れるアニキさん。ひょんなことから、お好み焼きをアニキさんのために焼くことに。美味ければ助かる。不味ければ……。当事者なら底知れなく怖い体験なのに、ヤクザさんたちが面白くて、笑いながら読んでしまいました。
シチュエーションも読後感も途中の緊迫感が滲ませる冷や汗も、すべてがカンペキなオチにすとんと収まる、見事なまでのカタルシス。あんまり怖いと笑えてくるみたいな、お好み焼きの恐怖がすばらしい。アニキ、男だぜ。
はたからみると面白さもある緊張した雰囲気の中で一人テンパっている哀れな主人公、笑えますw
ふとしたきっかけで、ヤクザとの因縁を作ってしまった男。 菩薩を自称するヤクザから「旨いお好み焼きを作れば許す」とのお達しが出された男は、藁にもすがる思いで、熱々の鉄板に自分の命を差し出す。 導入から展開、そして結末までがトントン拍子で進んでいき、読むものを飽きさせない。 個人的にはもう少し粘ってもいいかとは思った。
とにかく章タイトルが秀逸で、頭に残ります。内容もタイトルに沿った、テンポのいいハラハラする展開。サクッと読めて、読んだ後にお好み焼きが食べたくなる素敵な作品です。
お好み焼きを焼くときは、楽しい雰囲気でワイワイしながら焼くことが多いのですが、こんなにも緊張して焼くなんて(笑)エピソードタイトルをうまく使っていて、とても面白かったです。