第26話 階数表記
昨日と同じくエレベータまで案内してもらい、それぞれの階数を教えてもらうと、ミナ姉はエレベータの扉らが閉まる間際、小さく両手を振り「頑張れ、頑張れ」とガッツポーズした。
「ミナ姉、、、惚れてしまうわ」
エレベータの中で今井君は心の声を漏らしていた。
両脇に美女がいるのに、その言い草はなんだ、と言いたいところだが、その本音には同意せざる終えない。
大森さんもうんうんと激しく頷いていた。
チン、と音が鳴り「1.2階」で止まった。
「地下に食堂があるって、昨日聞いたから、お昼一緒に食べようねー」
そう言うと、大森さんは手を振りながら、エレベータを降りた。
チン、と音が鳴り「272log10階」で止まった。
「それじゃ、お互い頑張ろうな」
今井君がビッと親指を立て、エレベータを降りる。
私が最後なのか、そもそもどの階が高いのかこの階数表記ではよくわからない。
そもそも、階数が凝縮されすぎているような気がする。明らかに外観以上の高さをエレベータで昇っていると錯覚するほど、時間をかけ、階数を昇る。
一人きりになり、少し心細くなったので、試しに先ほど貰った封筒の中身を見てみる事にした。
中にはけっこうな量の書類が入っていた。
まとめて掴み、封筒から引き出すと、まず一番上に書かれた文字が目に入った。
「1週間以内に記憶し、全て燃やすこと」
チンと音が鳴り「2√8階」で止まった。
私が所属する魔術防災対策課がある階だ。
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