第8話 退部

男「…………」アタマカカエー

女先輩「ただいまー…おいおい、何世界の終わりみたいな感じになっているんだ。一人称が何だかんだくらい、別に私は気にしないぞ」

男「思春期の男子は複雑なんスよ…あー、死にたい」

女先輩「どちらかというと既に死に体って感じだけれどね。ああ、そうだ。そんな君にこれを授けよう」ガサガサ

男「……原稿?」

女先輩「うん。昨晩書き上げたんだ」

男「筆が早いってレベルじゃないですね…才能100パーセントじゃないですか」

女先輩「どうだろうね。ああ、ちなみに私、今日から部活には行かないから」

男「……へ?」

女先輩「辞める、ということだ。あの環境ではあの部屋に行く意味は無いだろう」

男「…………。そう……ですか。そうですよね」

女先輩「うん。だから放課後、一緒に退部届けを出しに行くぞ」

男「え?」

女先輩「君も一緒に辞めるんだよ。で、放課後は図書室とか空き教室で文芸活動をするんだ」

男「えっ……と」

女先輩「嫌かい?」

男「……いえ。是非お供させてください」

女先輩「うむ! 君ならそう言ってくれると思っていたよ!」

男「ちょ、図書室ですよ。声抑えて…!」

女先輩「では早速拇印を押したまえ。それ以外の必要事項は全て記入しておいたから」ペラ

男「アンタ本当、エスパーとか予知能力持っているんじゃないでしょうね…」

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