第31話 故郷に帰ってきました(04)

また、父の知り合いの営業マンは、うちの家なのに、勝手にたばこを吸ったりして寛いでいた。

妹は、お父さんに、「ふつうは営業マンは、こんなところでタバコは吸わない」 と警告するも、

父親の借金も ふくらんでいった。


後から考えても、なんでこうなったのかわからない。

お父さんも? だけど、わたしも?

だから、お互いに、だまされていた。

北島のご両親はりっぱだった。


年月が経ったから言えるけど、当時は見えてなかった。

○○こうしたら、いいことがあるよ、みたいな言い方されるでしょ。

ちょっとでもお金はほしいやん? 


借金がいつの間にか50万になってて、

それなのに、よそのひとにお金を貸してる父。

領収書とかもらったん? と聞いても、もらってない。

あれ? わたしのだまされたのと 同じパターン踏んでない?

とか思っちゃう。


お互いに、お金のことで、目の色が変わっていたので、こんなヘンな話に飛びついちゃった。

振り込み詐欺の話に、めっちゃ似てる。


わたしが借金して、父を殺してしまったのも、飲み込まなければならない。

これはわたしの罪だから。

妹は、淡々とそう言うのであった。

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