オカルティックスパイアクションに頭痺れる
- ★★★ Excellent!!!
- 北斗
生きている実感を得るため、青年はスパイになりたかった。
しかし、ようやく入社した国際的な諜報機関『WTO』で任されたのはオカルト記事の精査ばかり……。
青年は「やってられるか!」と怒鳴るも、それは世界を守るための壮大な遠望の前ぶりにすぎなかったのである……。
オカルトとスパイ、傍からみれば真逆の要素です。
しかし、中盤から明かされる大いなる真実の前に、二つの要素は収斂し、ひとつに溶け合っていく……。
この展開には頭がびりびり痺れました。
真逆の要素をここまで融合させる作者さんの手腕には脱帽なのです。
ところで、これから本作を読む読者さんには、プロローグからじっくり読んでいただきたいところであります。
プロローグのあるシーンで覚えた違和感が、本編の終盤で明かされる真実によってきれいに氷解しました。
この「そういうことだったのか!」という感覚、実に癖になります。
どんな読み方でも楽しめる本作、実におすすめです。