正しい世界樹の育て方

作者 真野てん

信じていた現実が崩れ去ったその先に――。

  • ★★ Very Good!!

スパイ、オカルト、ハードボイルド、アクション……この物語には、様々なスパイスがたっぷり盛り込まれている。しかもそのどれもが喧嘩することなく、しっかりと調和してこの物語は成立している。

冒頭で繰り広げられる中東での潜入作戦は雰囲気たっぷりに描かれ、冷たい砂漠の空気や、殺気に張り詰めた空気まで伝わってくるようだ。

続く第一章からは一転して、サラリーマンからスパイに転職した七之助の奮闘が軽やかな筆致で描かれる。諜報機関『WTO』の同僚の雨衣や上司である名無しとのコメディチックなやり取りが中心となっているが、
その中に時折主人公である七之助の焦燥にも似た衝動、渇望が差し込まれる。
彼はどうしてそこまで自らを鍛え上げ、困難を求めるのか。
何故、生きている実感が欲しいのか。

そして、七之助の前に現われる様々な謎。
ヴォイニッチ手稿の正体、怪しげな会社の企み、緑の夢からの問いかけ、そして『世界樹』の示す意味――全ての真実が明らかになった時、そこからスパイとしての七之助の真の戦いが始まる。
その結末を、どうかご覧下さい。

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