仲間とクリスマスツリー


我が家のツリーは、

毎年かざりが変わる。


一昨年おととしは、

小さいぬいぐるみを沢山使った

子供向けのファンシーもどき。

(なぜもどきかというと、

ぬいぐるみがすべだったからだ。)


去年は、

ゴールドとシャンパンピンクの色のかざりに、

根元に百均で買ったプレゼントの箱を

かざり用に沢山置いておいた。

(中は空と思わせておいて、

後でプレゼントを入れて当日にサプライズした。)


今年は、

シルバーと水色のかざりに

黄色と赤、緑の包みに入った丸いチョコレートがかざってある。

(本当は青いリボンを付けたかったらしいが、

そらさんが持って来たかざれるチョコレートが、

面白そうなので採用さいようされたそうだ。)



で、どうして我が家のツリーが

毎年かざりが違うのかというと。



「おー!」


「今年のツリーは、品のいい感じになったな。」


全員がツリーを見ながら、今年の担当者・・

おもさんに感想をげる。


「・・何とか、上手くいった。」


初めてツリーを担当した彼は、

心底ホッとしたようあまったかざり用の

チョコレートを口にした。



つまり、理由はそう。



我が家のツリーが毎年違うのは、

担当者が変わっているからである。



一昨年おととしの担当は、いかずちさん。


どうしようか悩んだ結果


可愛かわいければいいんだろうか?」


という考えにいたり、

クレーンゲームで大量に取った

小さなぬいぐるみをかざったらしい。

(ただ、ぬいぐるみのチョイスは失敗だと思う。

・・猫は喜びそうだったが。)



去年の担当は、くもさん。


「金色とピンクの縞模様しまもようの、

綿飴わたあめを食べる夢見たんだ~。」


という彼らしい理由で、

去年はその配色になった。

(ピンクは蒲鉾かまぼこ味で、

金色は高野豆腐こうやどうふ煮物にもの味だったらしい。)



担当者を決めるのは、

毎回あみだくじで決めている。

(普通のくじだと、

こおりさんが望むくじばかり彼に当たるからだ。)


おもさんは当たった直後から、

かなり悩んで色んなヒトに相談していたが


「お前のしたいようにすればいいんだよ。」


というアドバイスばかりで、

頭を抱えていたそうだ。


本当は、

チョコツリーを作るつもりだったらしいが


「ファンヒーターの入った部屋だと溶けてしまう」


と、断念したそうです。

かざる用のチョコの存在を後で知り、

すごく残念そうにしていた。)


「ツリーは、これでオッケーだな!」


「チキンはつるぎが準備するんだろ?」


「おう!明日狩りに行ってくる!」


ツリーの前で、

クリスマス用のメニューを楽しそうに話すかたわらで。


「今年も黒豆の量を増やさないとな。」


「去年も1人で食い尽したからな。」


「栗きんとんも増やすか?」


「あ~、それも増やさないとなぁ。」


と、おせちの話をしているヒトもいる。


・・この不思議な会話を聞いていると、


師走しわすだなぁ。」


なんてしみじみ思ってしまう。


(来年はどんなツリーになるんだろう?)


そんな風に、

鬼が爆笑しそうな事を考えながら。


私は、

今年専用のツリーをスマホに収めた。

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