私と木の剪定


庭に植えた木の枝が広がり過ぎて、

他の植物に日差しが当たらなくなってきた。


なので、

枝の剪定せんていをしようと思い立ち、

ノコギリを手にしながら、

木に立て掛けた脚立きゃたつに登っていたら


「あー!!」


と、偶然ぐうぜんそれを見たくもさんが、

めずらしく大声で叫ぶ。


「お?」


「どうした?」


その声に反応した仲間達が集まってきて、

脚立きゃたつの上にいる私に気が付いた。


何やってんだ!!


その瞬間に何人かが叫び、

何時いつの間にか走って来たおもさんに捕獲ほかくされ、

私は地面に下ろされる。


そのままリビングに連行された挙句あげく

全員からの説教が始まる。


「刃物持ったままあんなのに登るな!」


「落ちる危ないだろ!」


これはつるぎさんとそらさん。


「この間も、

何も無い所で転んでいただろう?」


「食器洗いの最中に、

ナイフの刃を素手でさわったのは何処どこのどいつだった?」


溜息をつきながらさとしてくるのは、

いかずちさんとせきさんだ。


「あんな所に脚立きゃたつで登っちゃ駄目だめだよ~。」


「・・以前、

脚立きゃたつから降りるのを失敗して足をくじいた。」


そう心底心配した表情と声で言うのは、

くもさんとおもさん。


「子供が刃物を持つな。」


最後に釘を刺すように、

強い口調でこおりさんに注意されてしまった。


一応、

そこまで心配されるほど子供ではないので、

これ位大丈夫だと私はげる。


確かに、


脚立きゃたつから降りている最中さいちゅうに、

最後の一段をみ外して捻挫ねんざをしたり


食器洗いの最中さいちゅうに夢中になり過ぎて、

ナイフの刃を泡の付いた手でこすったり


階段を上がろうとみ出した第一歩が段に引っ掛かって、

思いっ切りひざを強打したりもしたが。


今回は大丈夫だと力説した。




枝の剪定せんていは、

つるぎさんとおもさんが代わりにやってくれました。


何故なぜだろう?

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