私の『日常』は世の中の『非日常』

私と掌

急に何となく、

「どうなるんだろう？」

という好奇心（こうきしん）に駆（か）られ、

『掌（てのひら）を相手に向かい、黙って差し出す』

という行動を仲間達にやって、

その反応を観察（かんさつ）してみる事にした。

剣（つるぎ）さんの場合

「ほい。」

と、食べていた

おにぎりを半分くれました。

味は凄くよかったものの、

半分でもご飯の量が多い上に、

中の具が塊（かたまり）の焼き肉だった。

雷（いかずち）さんの場合

「・・１個だけだぞ。」

昼食作りの最中（さいちゅう）だったので、

溜息をつきながら唐揚（からあ）げの摘（つま）み食いを

許可（きょか）される。

調子に乗ってもう１つ食べようとしたら

「行儀（ぎょうぎ）が悪い！」

と叱（しか）られました。

氷（こおり）さんの場合

「最後まで読め。」

物凄（ものすご）く分厚い本を３冊乗せられ、

手首が折（お）れるかと思いました。

・・楽しそうに笑ってたから、

絶対ワザとです。

空（そら）さんの場合

「食いたいのか？」

お菓子作りの最中（さいちゅう）だったので、

キョトンとした表情をしながら、

小麦粉を１袋（ふくろ）丸ごと手渡された。

生の小麦粉だけを食べる人は、

いないと思います。

赤（せき）さんの場合

「ここに座れ。」

と、大量の空豆が入った籠（かご）の側に、

一緒に座る様（よう）に促（うなが）される。

この後のんびり話をしながら、

２人で大量の空豆の殻剥（からむ）きをしました。

雲（くも）さんの場合

「どうぞ～。」

そう言って、

ドクロマークの描かれた瓶（びん）を手渡される。

慌（あわ）てて返そうとしたら

『これは、

友人が作った果物のジュースで、

瓶（びん）のデザインはジョークでやったものだよ。』

と笑いながら説明された。

・・そのせいで、

誰も飲まなかったそうです。

面（おも）さんの場合

「ん。」

チョコレートと、

予備（よび）の面を手渡されました。

楽しそうだと思ったので、

私も面を被（かぶ）り、

２人で無言でチョコを食べていたら

「え・・？」

と、通りかかった赤（せき）さんが困惑（こんわく）した。

そのまま走って何処（どこ）かへ行ったと思ったら、

雷（いかずち）さんを急いで連れてきて

「何か悩（なや）みでもあるのか？」

「相談に乗るぞ？」

と、深刻（しんこく）な表情の２人に、

悩（なや）みが無いかを聞かれる事態（じたい）になったのでした。

実験の結果。

掌（てのひら）を差し出しただけでも、

彼等（ら）らしい反応が返って来て

楽しかったです。

おまけ

黒之介（くろのすけ）の場合

「わーい！よしよしだー！」

と、駆（か）け寄（よ）ってきて、

尻尾（しっぽ）を振りながら掌（てのひら）に擦（す）り寄って来たので、

気が済むまで物凄（ものすご）く撫（な）でてあげた。

・・やっぱりうちの子は可愛（かわい）いです。