笑いの星

作者 機人レンジ

果てしなき笑いの果てに…

  • ★★★ Excellent!!!

大笑いさせていただきました。
最初は何気ない、取るに足らない事故から幕を開ける本作品のストーリー。
感染すると笑いが止まらなくなる「だけ」という奇妙なウイルスによって、めちゃくちゃになってゆく世界情勢。どう考えても悲惨な状況が続くのですが、なぜか滑稽で愉快できわめて可笑しい――。

加速度的に広がってゆく、この感染拡大は、やがて地球規模の壮大なSF的スペクタクルへとなだれ込みます。いやがうえにも盛り上がるストーリー! そして、こんなに風呂敷広げちゃってどうするの? と誰もが思うであろうその矢先に訪れる、実に納得のゆく場外ホームラン級のオチ。まるでSF落語です。

この手の「ほら話」ですと、日本では梶尾真治、海外ではP・ハイスミスの著作などが(個人的に)連想されますが、いずれも――まず突拍子もないところから幕を開ける壮大な崩壊劇が多いような、そんな印象です。
ですが、SFファンならずとも、各所に技巧を凝らした非常に丁寧な作品であることが、一読した方ならばお分かりになることでしょう。そして、作者の「人とは、生き物とはどうあるべきか」という哲学的な部分も垣間見える重奏的なテーマの仕込みがまた心憎い。この笑撃の一品、ぜひあなたも読んで体験してみてください。

あー、面白かった!

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