いつか、みえなくなる日まで 眼科医・新見三太郎のカルテ

作者 穂波子行

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★★★ Excellent!!!

物語は、一人の眼科医と、彼と働く看護師によって紡がれます。短編集で読みやすく、眼科にまつわる医療トリビアも興味深いものです。

本作品の魅力は、様々な出来事を通して、二人の登場人物の関係が少しずつ変化してゆく様子を丁寧に描いている点だと思います。その中に、「視えること」の意味を問う一貫したテーマが流れ、ストーリーに深みを与えています。

結末は切なくも暖かく、ぜひ続編が読みたいと思いました。素晴らしい作品を、ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

ミライちゃん辺りからフラグは立っていた。
いや、そこで確信したんだ、フラグはもっと前から立っていた。
『私は絶対にこの作者に泣かされる!』
そう思って警戒していた。
ものの見事に号泣させられた。
途中からずっと泣きっぱなしで、もう自分でも何が何だかわからないくらい揺さぶられた。
って言うか、まだ泣いてる。
もう私の訳判らんレビューなんか読んでないで、本編読んで!
その方がずっと早い!!!

★★★ Excellent!!!

『目』に絡めて語られる短編連作。なんとなく、怪奇ものなのかと思って読み進めてみたら、実際はかなり現実的な——『目』の病気に関わるお話だった。

全体的に穏やかな雰囲気が流れる作品で、読んでいて心地が良い。
私自身、先天的な眼疾患があるので(とは言え、特に深刻なものではないのだが)、眼科医や視能訓練士にはかなりお世話になった。馴染みのある病名も作中に挙げられていたので、個人的に感慨深いものがある。

『みえなくなる』というのは実際、恐ろしいことだ。
以前、盲目の方に世界はどう見えているのかと尋ねたことがあったが、見えないからと言って世界は『暗闇』ではないらしい。だが、目がものを映さないことは確かなことだし、様々な場面で困難にぶち当たることは間違いない。

作中では、『見える』ことに対する様々な恐れを解決していく。
けれど、本当の意味で恐ろしいのは、『みえない』ことの方なのかもしれない。

「いつか、みえなくなるまで」——その言葉が、最後にどんな着地点を見せるのか。その答えは積み重ねた物語の果てに、気づくことのできる想いなのかもしれない。

★★★ Excellent!!!

タイトルから医療系ミステリーを想像して読み始めたのですが、単なるミステリーの枠に収まらない物語でした。短編連作なので毎日一つずつエピソードを読み進めていたので、読み終えた今、新作を期待してレビューを書かせてもらいました。

★★★ Excellent!!!

日常ミステリと「目」にまつわるドラマとのハイブリッド。
誰もが唸る、高尚な謎解き作品。

などと言葉にしたものの、御作品の練り込まれたシナリオ、そしてドラマティックな魅せ方は、他では決して体験することなどできません。
なるほど納得。まさかそんな結末になるとは。……是非とも皆様にも私と同じように唸り声を上げていただきたいものです。

丁寧で親しみやすい文体と、素晴らしい構成と。
枚挙にいとまない美点で彩られた御作品。
是非とも文字を愛するすべての方に体験していただきたい。
そう願わずにいられません。

……そして、いやはや、こんなに素晴らしい作品を拝読すると、手が震えて書けなくなってしまいますね^^; 困ります!

★★★ Excellent!!!

日常に潜む不可思議現象を、眼科医の新見先生がたちどころに解決していく連作短編です。

オカルトや都市伝説、妖怪や未確認生物までもが大好きな私は、毎回提示される謎のドキドキわくわく感がたまりませんでした。そのめくるめく高揚感を軽く上回ってくるのが、謎が見事に解き明かされていく爽快感です。
物事の本質を見抜く鋭い新見先生と、真面目で一生懸命な看護師松原さんのコンビもすっごく微笑ましいのです。
でもこの作品の魅力は、それだけでは終わりません。解き明かされる謎には、いつも深い意味が隠れています。病気の知識とともに、人生において大切なことをそっと教えてくれるのです。

ところで。最後まで読み終えた今、題名に込められた想いに目から水が溢れてきて仕方ないんですけど、どうしたらいいですか新見先生!

★★★ Excellent!!!

怪奇現象、幽霊、妖怪……
そういうものは全て目で見るものなんだなぁと改めて思いました。
 
作りこまれたキャラ設定に読んでいくほど、新見さんや松原さんがずっと知っている友人のような、愛着を覚えます。
そしてラストに、親戚のおばちゃんみたいのようなもどかしさを覚えました。

謎、そして種明かし。
シンプルなのに、時々ハッとするほど恐ろしい。
素敵なお話でした。

★★★ Excellent!!!

私(松原亜弓)は地方総合病院の看護師三年目。
終末医療を志していたのに新卒で眼科に配属され、異動願いを出すか悩んでいる。
新しく来た眼科医・新見三太郎は、不思議な事象を鮮やかに解決する、不思議な先生だった。

実際、患者には「見える」ものであるだけに。
医療知識のない人間はオカルト的に解釈してしまうけれど、専門家には、なぜそう見えるのか説明可能。
幽霊の正体見たり枯れ尾花、の正体を見せてもらうことができます。
オカルト大好きなんですけれど、これは物凄く面白い。
眼科にはよくお世話になっていますが、次に受診する際は、いろいろと見方が変わりそうです。

★★★ Excellent!!!

これは実際に読んで頂くのが早いと思います。
お仕事!? ホラー!? ミステリ!?

次々と展開される雰囲気の変遷と、なめらかな文体で表現される世界観。どちらも読みやすく、一癖も二癖もある登場人物たちと合わせ、様々な要素が混ざり合っているにも関わらず、とても自然で、かつ魅力的です。

作品形式自体も短編連作で読みやすいため、ぜひ色々な方に読んで欲しいです!

★★★ Excellent!!!

短い文章の間で読者の心情を捉える手法がちりばめられています。
文頭で感じた疑問・違和感が、終盤で見事に氷解するので、読了感が非常に爽やかな作品群です。
おすすめです。

★★★ Excellent!!!

ミステリーの形式を取りながら、目の病気や健康についてを知ることができる作りになっています。
著者は病院にお勤めとのことで、情報を信じられるのが心強いし、(僕が言うのは生意気ですが)何より筆力が安定しているので、安心して物語の世界に入れます。
それから、(やはり僕が言うのは生意気ですが)随所に大人だから書ける含蓄ある文章が記されて、実に楽しませて頂きました。
お薦めします。

★★★ Excellent!!!

一見すると怪談のようなできごと。
病院という環境が、オカルト的なものかと思わせながら、「実はおかしなことなんて何一つない」と解き明かしていく新見先生は、さながら白衣の名探偵といった風情。
専門知識が読者への負担なく練りこまれているところが本当に読みやすくて面白い、上質のミステリです!
新見先生の謎めいた魅力に引き込まれていくこと、請け合いです。

★★★ Excellent!!!

初めまして、拝読させて頂きました。
この内容は穂波さんのリアルのお仕事が上手く生かされているのではないでしょうか。医師と看護師の立ち位置、細かな医療道具、病名など実際に仕事をしていなければ、こんなにもリアリティある作品を書くのは難しいと思います。
私も病室の描写の際、色々と調べたことがありますが、間違いなく現場の人には敵いません。なので羨ましいと思うばかりです笑
話が脱線しましたが現時点のストーリー(5月12日分)までの感想を。
どの話も魅力的なので選べと言われると難しいところではありますが、海野さんがいいポジションにいるなと感じます。松原さんと新見先生の関係性も素敵なんですが、個人的に海野さんが出てくるとなぜか目で追っちゃいます。あー現実にいないかな海野さん。
と、それはともかく、日常ものでありながら少しミステリーが入った今作は落ち着いて読めるのでいいですね。何より一人称が読みやすいです。それから知らない病名が出てくるとわくわくします。やはり医療ものは怪我や病気による事件が切っても切り離せない関係にありますから、私はそこを楽しんで読んじゃいます。
長々と書き散らしてすみません。連載、応援しています。

★★★ Excellent!!!

ホラーではありません。ましてや都市伝説系の不思議な話でもない。
眼科で起こるちょっと不思議に思っちゃう現象を描いた現代ドラマです。
ネタ振りされる謎のドキドキ感と、種明かし直前あたりでその謎の真相に自ら気付ける気持ち良さのバランスが絶妙ですね。

あまりの面白さに思わず視力が回復しました。あと、彼女もできたし、お金持ちにもなれました。

★★★ Excellent!!!

眼科医? まずタイトルにやられました。
「いつかみえなくなる日まで」
目なのに、見えなくなる? もうヨムしかありません。

内容に触れていくと、眼科医のミステリーのようにお見受けしますが、この切り口は新しい! 目はイロイロな格言があります。その謎を眼科医ならでは知識で解いていくのかと思うと、ワクワクしました。

ドラマ要素もしっかり入っていて、日常の謎ときもちゃんと用意されている上、構成がホームズ+ワトソン の基本も押さえている本作。

また楽しみが出来ました。ゆっくりおいかけて行きます。
エンターテイメントお仕事小説。しかし、謎解きの仕方にまだまだ興味は尽きません。

★★★ Excellent!!!

ユニークで爽やかなミステリー!

現代ドラマのタグがありますし、セリフと展開の面白さでドラマ化したら高視聴率が取れそうですが……。
探偵は人見知りの眼科医、ワトソン役は看護師という異色のチームが「見えない」日常の謎を解き明かす物語。

お仕事小説としても勿論面白いですが、それ以上にエンタメ要素が満載です。

★★★ Excellent!!!

一見するとホラーのようだが、その実態は…?
眼科で働く新米看護士とかなり変わったお医者さんの話。

作者さんが経験者というだけあって、眼医者さんの実情が詳しく記されており勉強になりました。
かといって小難しくつまらない内容かといえば、全く そうではなくて。
患者さんの中にはオカルト染みたものが見えると相談しに来る方も居るが、その実態は「たいていが」科学で説明できるものだ…というパターンをとっているようです。
コミカルな語り口と、先生のユーモラスなキャラクターが合わさり、とても魅力的な作品として仕上がっています。

幽霊よりも、合間合間に挟まれるリアルな社会批判の方がずっと怖いです! 先生!
ただ、「一番怖いのは人間だ」なんて単純な結論では終わりそうもないんですよね~既にいくつもの伏線が張られており、先が楽しみです。

ホラーの闇を科学で暴く、そんな物語をお探しの貴方へ。おススメします!