第5話

『オレは計画をイメージした。

まず、時間帯は夜間。昼間はそれなりに人通りも多いが、

深夜になると、人の数は極端に少なくなる。

次に『獲物』は小柄な女性か、子供。

だが、深夜に出歩く子供は期待できないだろう。

となれば、女だ。襲撃方法は手製のブラックジャック。

コンビニの袋を5重にしたものの中に、

近所の公園の砂場の砂をたっぷり入れる。

その根元をしっかり縛る。これで相手の頭部を殴るのだ。

しかし相手は死ぬことは無い。昏倒こんとうするだけのはずだ。

 オレは深夜になるのを待った。狙うはひとりきりで、歩いている女。

オレは飢えで、獣のようによだれを垂らしていた。子犬を喰ってから、

1週間も『魂』を喰っていない。

『獲物』を仕留めたら、また風呂場で解体しよう。死なないように。

生きているうちに、一口でも多く肉を喰うのだ。

後の処理は子犬の時と同じ。

だが、次の『獲物』を仕留めたら、場所を変えたほうがいいだろう。

このアパートから姿をくらまし、自由になる。

『獲物』から『獲物』を渡り歩くのだ。

死体は適当に山の中にでも埋めればいい。


夕暮れ時、オレは何気にカーテンをわずかに開き、

外の幹線道路の舗道をのぞき見た。

 あ―――。若い女だ。女が来た。しかも一人。

周りには彼女以外の気配は無い。

20代くらいの遊んでる感じのケバい女だ。

化粧臭そうだ・・・。まあいい。頭は喰うことはないだろう。

頭を喰う前に、『獲物』は絶命している・・・・・。


オレは右手に手製のブラックジャックを握り、

タイミングをみはらかって玄関を飛び出した。

あの女―――獲物・・・オレの空腹を満たす物―――

『魂』に向かって、疾走した―――!



魂喰い 終

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魂喰い(短編) kasyグループ/金土豊 @kanedoyutaka

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