Katachi

作者 松野 志部彦

12

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★★★ Excellent!!!

魔法を使わなくなってしまった高名な魔導師。
なぜそうなったのかはわからないし、主人公との関係性もあまり明らかではありません。
つまり、その部分は読者が自由に想像できるのです。
あえて語らないことで、物語の隙間を楽しむ効果を生んでいます。
風景の描写も細密で光景が目に浮かぶようで、詩的な印象を残す作品です。

★★★ Excellent!!!

「先生」と「わたし」が住むところに、ある日かつて弟子だったという魔導士の青年がやってくる……というところからはじまる短編です。

光景の描写は緻密で、こちらの想像力を掻き立てながらも邪魔をすることはありません。
少なくとも私には、「ここはちょっと」と思うところが存在しません。

一陣の風が吹いたように通りすぎる、ある日の光景。
それが不思議と心に残るのです。
作者様の筆運びの賜物でしょうか。

かつての弟子、かつての「先生」、そして現在起こっている戦。
それらの背景的な細かなことは明かされることはありません。

しかし、そんな仄めかしはすべて些細なことだといわんばかりの感傷がとても心地よい。
オススメの一作です。