第2話 クラス0
『ここが、1の部屋です』
その女性は僕が最初にいた部屋の隣の部屋の前で止まった。
『入ってみますか?』
「いや、進みましょう」
僕はただ進みたいだけだ。部屋に入る必要なんてない。だいいち、さっき歩き始めたばかりだ。
『では、3の部屋へ向かいましょう。いいものがあります』
「それは何ですか」
『
「それはすごいですね。それを使えば、端への旅もすぐですね」
『いえ、その装置で端まで行くには時間がかかりすぎるので、もっと速い装置に途中で乗り換える必要があります』
「では、その速い装置があるところまで行って、そこで乗り換えるのですね」
『はい。話している間に、3の部屋に着いてしまったようですね。』
そして僕たちは、3の部屋に入ることにした。
3の部屋に入った。壁は全面白い。窓はない。出入り口はさっき入った扉のみだ。扉と反対側の壁には大きく「3」と書かれている。中央にはテーブルがある。テーブルの上には奇妙な装置がある。おそらくこれがこの人の言っていたインクリメント装置だ。
『私の手をしっかり握ってください。これからワープします。』
彼女は左手で僕の手を掴む。右手はテーブルの装置に近づけている。
『3・・・2・・・1・・・転送!』
彼女はそういうと、装置についている中で一番大きなボタンを押した。それと同時に、若干床が揺れたような気がしたが、揺れはすぐに収まった。
「これが・・・ワープですか?」
『はい。あの壁を見てください。あれは部屋番号です。さっきは3でしたが、今は4になっています。壁の数字に注目して、もう一回ワープしますね』
そういって、彼女はもう一度装置のボタンを押した。若干の揺れを感じた後、壁に書かれた数字は4から5に変化した。それ以外の変化はないようだ。
『今私たちは5の部屋にいます。もし信じられないなら、部屋の外に出て確認してみるといいですよ』
「わかりました。行ってきます。」
僕は部屋を出て、左右を確かめる。確かに、ここは5の部屋で、その前後の部屋番号は...3,4,5,6,7,...と続いている。僕は部屋に戻る。
「確かに、ここは5の部屋でした。」
『では、もう一回ワープして、6の部屋に行きましょう。そこに、もっと速い装置があります』
そういって彼女は、もう一度ボタンを押した。壁の数字は6になった。それと同時にテーブルの横に大きな装置が現れた。コインを縁で立てて、それをそのまま大きくしたような構造だ。窓は前面のみについているようだが、今の僕の位置からでは内部構造を確認することはできない。
『さあ、これに乗って、もっと先へ行きましょう』
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