グリーンマイル


グリーンマイル(1999)アメリカ


d.フランク・ダラボン

t.スティーブン・キング

c.刑務所/ファンタジー


トム・ハンクス(ポール)


……1932年、死刑囚が収容されている刑務所が舞台。看守のポールは触れるだけで病を治す奇跡の力を持った死刑囚ジョン・コーフィに重い感染症を治療される。罪状に似合わず気弱で優しい彼に接するうち、彼は冤罪であり被害者を救おうとしたのではないか、そんな彼を死刑に処する自分たちは大きな過ちを犯しているのではないか……とポールは葛藤する。


上映時間が3時間9分ということで少々構えたけど、怠い時間は1秒も無かった。



ネタバレあり。



看守が死刑囚と接するとき、刺激しないように「集中治療室にいる患者に接するように」対応するっていうのは初めて知った。もっと冷淡な対応をするものだと思ってた。


「皆それぞれのグリーンマイルを歩いている」って言葉を聞いて、この映画を観て良かったなあと思った。


極端な言い方をすると死刑を執行することは人を殺した人を殺す仕事。でもコーフィは無実。しかしコーフィは「もうこんな酷い世界に生きていたくない」と自ら死を望んだ。だからポールは執行した。それによってポールは一生苦しむことになる。でもコーフィは救われた。何が正しくて何が正しくないのか、何を持って正しさは説かれるのか、誰にもわからない。コーフィが奇跡の力でロクデナシのパーシーと真犯人のビリーを裁いたことも、そう。


死刑の二日前に初めて活動写真を見せてもらったコーフィの笑顔とそれを見つめるポールたち看守の顔を見てなんとも言えない気持ちになった。生きているといつか必ず死ぬけど、一体自分はどんな風に死ぬんだろうかと生死について考えさせられる。酷い現実に疲れたとしても、活動写真を見たコーフィのように、素敵なものを否定せずに笑えたらいいなと思った。



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