SE7EN


セブン(1995) アメリカ

d.デヴィッド・フィンチャー

t.アンドリュー・ケビン・ウォーカー

c.スリラー/サスペンス


ブラッド・ピット(ミルズ刑事)

モーガン・フリーマン(サマセット刑事)

グウィネス・パルトロー(ステイシー)

ケヴィン・スパイシー(ジョン・ドゥ)


残酷描写・暴力描写有り


……一週間後に定年退職を迎えるベテラン刑事のサマセットと、新人刑事のミルズ。彼らが初めて顔を合わせた殺人現場では、肥満の男が死ぬまで食べ続けることを強制されたことによる内臓破裂で亡くなっていた。現場には「グラトニー(暴食)」という文字と、連続事件の始まりを示唆するようなメモが残されていた。


七つの大罪をモチーフにした連続殺人事件。


暴食、強欲、怠惰、色欲、傲慢、嫉妬、憤怒。


七つの大罪は元は八つの罪だったとか、さらに元を辿ると九つだとか、そういう視点で考察するといろんなパターンの真相が姿を現わす。観客の解釈で表情が変わる作品だと思う。


以下、ネタバレあり。





自分の解釈ができるまで繰り返し見るとして、まず純粋に感じたことを書き残しておく。鑑賞後、罪ってなんだろう? と考えさせられた。ラストがあまりにも衝撃的だったのだ。心情としてはそれは罪には問わないよ、と言いたくなるものでも……。



ミルズが引き金を引くか否か葛藤するシーン。ほんの一瞬だけ現れるステイシーのカット。犯人による連続殺人事件の計画。最後のサマセットの言葉。


「ヘミングウェイが言っていた。『この世は素敵だ、戦う価値がある。』後半には賛成だ。」


この言葉に物凄く共感した。


でも同時に虚しくて、程度は違えど、人は誰もが罪を犯しているではないか、と辛くなる。


サマセットが言っていた「(意訳)我が子には幸せになってほしいが、こんな荒んだ世の中に産むなんて……」という言葉にも激しく共感。最近同じことを考えている。


ひとまず他人の生活を脅かすことは絶対悪だと結論づけて、自分なりの解釈ができるまで作品を鑑賞したい。


このところデヴィッド・フィンチャーの作品を鑑賞していて、その色彩感覚や空気感のどことない「冬」っぽさが好ましく感じられてきた。


ところでステイシー役のグウィネスは「恋におちたシェイクスピア」でヴァイオラを演じていて、サマセット刑事役のモーガンは「ショーシャンクの空に」のレッド役。

少しずつこの俳優さん見たことある……知ってる……ということが増えてきて嬉しい。

今作でブラッド・ピッドのことが好きになった。

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