レインマン

レインマン(1988) 1

d.バリー・レヴィンソン

c.ドラマ/メロ/ロードムービー

ダスティン・ホフマン(レイモンド)

トム・クルーズ(チャーリー)


………破産寸前の経営者チャーリーの元に絶縁状態の父親の訃報が入る。

遺産な300万ドル。それだけあれば経営を建て直せるはずだったが、遺産は存在を知らない自閉症の兄に継がれると知り、チャーリーは誘拐同然に兄を連れ出す。




デリケートなことにも触れるので語弊や誤解を生まないように努めるけれど、どうか寛容にお願いします。少しだけネタバレもあり。




同じ言葉を何十回も繰り返されて、会話は成立しないし言葉も想いも伝わらない(ように感じられる)。思うようなコミュニケーションが取れない相手と四六時中くっついて過ごすとなると、チャーリーのように「こっちの気がヘンになるぜ!」という気分になるのはよくわかる。

そりゃ、会って5秒で 初めまして実の兄さん、ああ愛しているよ、となれるわけがない。

「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」のエピソードにも書いたけど、血の繋がりがあるからって理由だけでオートマティックに素敵な関係が築けるとは限らない。どんな形の愛情も生まれるまでは時間がかかる。


これは実際の生活の中で感じることなんだけど、どんな人間も警戒しなくて良い相手には飾りが取れて素が出る。

人間は相手に対して何かしらの自分を演じているものだけど、チャーリーはレイに自分を飾る必要が無かった。だから、少しずつ心を開いていくチャーリーとレイとのコミュニケーションが素敵に見えた。カフェでシロップでふざけたり記憶力を褒めたりする接し方がとても可愛く見えた。日が経つにつれ徐々に現れるチャーリーの笑顔。トム・クルーズはめっちゃ男前だった。


記憶力を利用してカジノに連れ出す展開もイイ。そういうの好きだ。


チャーリーの恋人のスーザンもとてもいい。イイ女ってこういう人のことだなあと。彼女はチャーリーにはフォローできない部分のことを自然にしてあげられる。優しさが美人の形をしている。


ラストのおでこコツンで通い合ったものが可視化されたのがグッときた。


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