ビッグ

ビッグ(1988) 1

d.ペニー・マーシャル

トム・ハンクス(ジョッシュ)

c.ファンタジー


……綺麗な女の子に恋をするも、ライバルが車を持ってるような奴で打ちのめされる少年・ジョッシュ。カーニバルで見かけた「願いを叶える」と書かれた機械に「大きくなりたい」と願った翌朝、ジョッシュは本当に大人になってしまった。仕方が無いので親友を頼ったりしてなんとかおもちゃ会社に就職。ジョッシュは子どもならではの感性でヒット商品を生み出し、トントン拍子で出世していく。


以下、ネタバレあり。



見た目は大人、中身は子ども。

ゆえに社会人らしからぬ行動を取ってしまうんだけど、そんな奇特さを社長に気に入られて出世していく様が爽快。突然大人になってしまったことで親と離れて子どもらしい生活を失っている分、出世という形で報われることに納得するし、夢があって面白い。


重役の女性・スーザンがジョッシュに夜の誘いをするんだけど、もちろんジョッシュに応えられる(意味がわかる)わけもなく、トランポリンで跳ねて遊んで二段ベッドで上下に分かれて寝るの笑っちゃった。大人の女になりすぎたスーザンはジョッシュと接することで女の飾りが取れて、純粋な部分を表面に出すことができて救われたんじゃないかと思う。

子ども時代の純粋さを取り戻す大人と大人の切なさを知る子ども。ジョッシュはスーザンとの恋愛を通して少しずつ成長していく。


この辺がコメディとは言い切れなくて、観ていると胸があたたかくなる。子どもが大人になるという嘘みたいな話を真っ先に信じて全力でサポートしてあげたジョッシュの親友・ビリーも良かった。


あと、お気に入りなのはオモチャ屋さんの床に仕込まれたピアノをジョッシュと社長が足で弾くシーン!


人間なんか大人になってもみんな子どもなんだ〜〜と思えてよかった。

大人という概念は多面的でいろんな「大人の在るべき形」みたいなものを包んでいる。場合によって意味合いが変わる便利な言葉。成人と大人は少し違う。

その「大人」の中の1つに純粋さを散らすと大人になる、という節があると私は思う。この映画を観ていると、純粋さは大人になっても大切に持って生きるのが素敵だよって言ってもらえた気になった。面白かったです! ラストは切ない!





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