ローマの休日/ティファニーで朝食を


ローマの休日(1953) 1


d.ウィリアム・ワイラー

t.ダルトン・トランボ/ジョン・ディントン

c.ドラマ/恋愛


オードリー・ヘップバーン(アン)

グレゴリー・ペック(ジョー)


……公務に辟易した王女・アンは夜中に城を抜け出して無防備に道端で眠っているところを新聞記者の男性・ジョーに保護される。アンが王女だと知ったジョーはゴシップスクープを狙ってアンと行動を共にするが、1日だけのローマの休日を共に過ごすうちに、2人の間に恋が芽生える………。


以下、ネタバレあり。




世間知らずの王女様と記者の生活レベルの違いやギャップは同じ国に住んでいるのに異文化って感じで、街でヘアカットしたりジェラートを食べたり、スクーターに乗ったり、初めてのことにトライする王女の新鮮な感動が伝わってきて楽しかった。何よりオードリーが可愛い。爪の先からまつげの先まで気品薫りすぎの美しすぎの素敵すぎ。目で物を言うというか、高貴な眼差しが本当に魅力的。


ローマの休日での恋を通じて1人の女性として強くなった王女、ラストの言外の告白は切なかった。ああいう高度な伝え方も素敵だなあ。ジョーに挨拶をするためだけに前方にいた記者全員の元に赴くところが最高にクールだった。


有名すぎて逆に観たことが無いという方の肩に手を置いて一定のリズムを刻みながら「オードリーが可愛いから観ましょう」と諭したい。


このローマバーンの流れで観てみたティファニーバーン。参ります。


ティファニーで朝食を(1961) 1

d.ブレイク・エドワーズ

c.恋愛/生活


………自由奔放な生き方をするティファニーが大好きな女性・ホリー(オードリー)。金を得るために複数の男性と付き合って生活を続けていたが、ある日アパートの上階に越してきた作家・ポールと真実の恋におちる。


以下、若干のネタバレと苦めの感想。


ホリーが飼っていた名前のないネコは自身を象徴しているんだろうな、と。ホリーも別に本当の名前を持っているから。そういうシンボルを忍ばせるのは好みだけど、正直なところあまり好きな話ではなかった。


ホリーは貧しい育ちで15歳かそこらで家出したことから、金と自由に飢えている。


途中で金に目が眩んでポールから他の男に目移りしてしまうし、「今までやったことがないことをやりましょう」と言って万引きをする感覚が苦手だった。ルールを侵す振舞いは自由じゃない。自由に飢えているからこその行動なのだろうが、そこは履き違えちゃいけないと思う。カタいだろうか。


私には諸々が刹那的すぎるように思えてあまり共感/感情移入できないところが多く、物語の6.5割〜ENDのクレジットが出るまで観るのをやめてしまった。

6.5割まではオードリーの美しさを観ていたって感じ。オードリーは可愛いけれどホリーのことは愛せなかった。衣裳も綺麗なんだけど、どこか気取ってる感じがしてイイと思えない。気取っていることが悪いわけじゃないし、ホリーに合ってホリーが選ぶ服はその傾向になるだろうからきっとマッチしているんだけど、それが受け入れられないということは、ホリーは観客との親和性が低いのだろう。


ということで、今の私が観たい映画ではなかったみたい。ただし、もう少し大人になってから観たら受け方が変わるかもしれない!


このティファニーババババーンによって、作品を自分で適当に選ぶより、人様にオススメを聞いて観る方がかなりの高確率で面白いものに出会えることの裏打ちが取れた。面白いものに出会うための努力を怠っちゃいけないね。


好みじゃないけど面白い。

好みな上に面白い。

俳優は魅力的だけどつまらない。

衝撃的に退屈でつまらない。


いろんな面白いとつまらないがあるものだ。

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