第721話 ムカデ型アバターの変異

―――――――――――――黒い塔内部:ムカデ型アバター戦



 ヴィーチェとムクロたちによる多大なダメージも次の瞬間には回復しきっており破損した箇所も徐々に復元しておりヴィーチェが手を焼いている意味が分かりその後方で戦闘の始終を見ていたクーリアはチートだのとギャーギャーとわめき散らすとムカデのヘイトを集めてしまい攻撃が始まった。



「ぎゃぁあぁぁぁ!!!こっちくんなぁぁ~~~ムクロッち早く援護援護ぉ!!プリーズ!!ヘルプミー!!こんなのライフがいくつあってもたんないよぉぉぉ~~~」

やっこも誰が狙いめかという事を熟知している模様でございますね。

これもあのアバターとの接続による考えると言う機構の賜物・・・」

「レイ、今はそんな事を悠長に語っている場合じゃないわ一刻も早くクーリアを援護して救わないとバックのいない戦闘はこっちが不利になるわ。

――――――――――こっちを向きやがれ、弐式徹甲弾!!!」

「ふふ、戦いはこうでなくっちゃいけないわ。

さぁもっとその手を貸しなさいそうじゃないと私だけでアレを倒すわよ?黒騎士さん。」

ヴィーチェの見せる笑顔は戦いに身を投じる中で異様に輝いており自身にバフをかけ飛び出すとユリハとムクロも加速スキルを使い並んで駆けると予想通りにムカデの尾が地面を抉り斬り裂くようにして飛び出してきた。

その鋭利な尾は的確に3名を切断するかのようにして飛び出していたがその尾は届かない・・・何故ならその尾は巨大な腕によって掴まれミシミシと砕ける音を鳴らし固定されていた。



「ご主人様方御注意を。

この躾けのなっていない尾はこのレイが調教いたしますのでクーリアの援護に向かってくださいませ。

―――――――全く人が話している間は大人しくしていてください砕きますよ?」

「助かったレイ、さぁあと少しでクーリアの所にたどり着くぞ!!」

「ムクロ君上からムカデの爪攻撃が来るよ!!!」

「そこのこの程度で叫ばないでちょうだい。

――――――――第一装填解放・・・散弾斉射!!」

ヴィーチェは銃を上へと向けスキルを発動するとそのムカデの爪は粉々に砕け飛び何事もなかったように突き進むと逃げているクーリアの姿が見え3人はムカデの体に飛び移り剥き出しであるアバターを直接攻撃しこの戦いを終わらせようとしたのだが攻撃を仕掛けるまでに異様な光景が目に飛び込んだ。

先ほどまでムカデとアバターは一体であったのがそれは個々に独立しアバターには足がありおまけに不気味な武器までもちムクロたちを出迎えるようにして待っていた。



「ギチチチ・・・・・」

「まさかの弱点がお出迎えなんて今まで戦ったモブとは一味違うわけか。

だが相手にとって不足なしだお前を倒してこのフロアを突破する!!

――――――――クイックシフト!!!」

「ムクロが先制攻撃に出たわ追撃に行くわよ。」

「ま、まかせて!!体力が時間で回復する前に倒しちゃえばいいんだから皆となら簡単だよ!!うんいける!!」

ムクロの加速攻撃を受け止めたアバターは次に来る攻撃を予測しヴィーチェとユリハの攻撃を体から突き出た棘で受けとめその状態からのヴィーチェは近距離での射撃スキルを発動した。

その銃音は完全にアバターの急所を貫き致命傷に近いダメージを入れるには十分であったがそのダメージは体力バーのイエローラインで止まっていた。

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