第716話 選んだもの達と転移石
――――――――――――――始まりの都
そのままグロリアへログインしたムクロは朝から開始される塔攻略の動きを見るために街を歩いているとそこらじゅうでプレイヤー達が同じエンブレムを付けておりそのエンブレムがあるかないかで同盟かそうでないかを見分けるものだと判断したところでムクロはエンブレムを付けたプレイヤー達がどこかへ向かっているらしい足取りを見せているところからその後ろについて行くとそこは広場に通じていた。
「作戦開始前の説明か何かか?こんなにも参加者がいるのが驚きだがそれよりも朝からよく集まれたな。」
ムクロは大きなあくびを上げながらプレイヤー達に紛れて何が始まるのかと待っているとプレイヤーをかき分けて何かがムクロに近づき姿を現した。
「ムクロッちおっはよぉ~朝からすごい人だよね。
お祭りイベントでもあるのかって言うほどの人だけどこれから塔の攻略をするために集まったとか複雑な気分だよね~うんうん。」
「で、クーリアはなんでそのエンブレムを持っているんだ??
もしかしてルイゼの攻略組に参加したのか??」
ムクロはクーリアに対してストレートに問うとクーリアはニヤニヤニシシと笑いながらムクロの背中を叩きながら誤解だと説明を始めた。
「フツーだとそう思うしかないじゃん??でも私だよ??私の情報とちょっとしたコネと金があればあらかたのやりたいことは可能なんだなぁ~
と言うわけでコレは元々参加する予定だったプレイヤーから回収したエンブレムでチートアイテムでもなければ複製品のまがい物でもないから安心してよ。」
「別にレアアイテムでもなければ価値があるモノでもないと思うけどどうして手に入れようとしたんだ?それがあっても報酬とか入らないだろ??」
さらにムクロはクーリアに質問を仕掛けるとクーリアはため息をついて再度細かくムクロでもわかるようにと説明をしはじめた。
「そりゃ報酬がもらえるかもとか一瞬は期待してたけどさ?もらえないとか知った時点で捨てちゃおうとかしてたけどさ??
でもこれがあったら他のプレイヤーから怪しまれないんじゃないか?って思ってとっておいたんだよ。
コレ自体に価値があるかないかと言われたら限りなくゼロに近いけどみんなの為になるのなら私はいいんじゃないかなぁ~って思ってるくらいで・・・」
「そうかありがとなクーリア。
だけど状況次第でそのエンブレムは有効に使えるかもしれないから大切に持っていてくれ。
それにそろそろ何かが始まるようだ。」
ムクロは広場の中心に現れたルイゼに目をやるとルイゼは挨拶をしつつプレイヤー各位に準備や最後の点検をするようにと言ってから時間がきたらPTごとに集まり強制転移石で移動し塔のふもとで合流しようと伝えルイゼもその場から立ち去ると朝のミーティングが終わったことによりプレイヤー達も解散し最後の調整に入るべく鍛冶屋に向かう者やアイテム屋に向かっていた。
「ん~そう言うわけね納得納得。
ムクロッちに詳しく説明すると長くなっちゃうかもだけどしっかり聞いてね?
転移石を使っての移動の方が移動時間と待機時間が大幅に短くて超快適なんだけどポータルでの移動は時間もかかるし移動にムラもできてあの人数を運ぶにはちょっと手間なんだよね。
だから事前に位置をコピーしておいた転移石を作っておいてみんなにメールか何かで配布したってわけだよ。
わたしたちや他のプレイヤーの邪魔が入らないようワザとだね~あのプレイヤーかなりやり込んできてるなぁ金銭面でも痛いはずなのになぁ。」
「だったら俺たちが先に塔に潜り込んで仕掛けるかどうにかするしかないな。」
ムクロの言った先に塔へ移動し仕掛けるものならそれこそルイゼたちにとって思うつぼと、この続きは戻ってみんなと話し合い決めるしかないという事でムクロたちも他のプレイヤーと同じように準備をするためにホームにへと戻って行くのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます